◆ ベンダーコントロールとは
ネットワークエンジニアとして「構築・設計」のお仕事をする場合、人材派遣会社の必要スキルに
「ベンダーコントロール」というキーワードがよく出てきます。それではこのベンダーコントロール
とは具体的にどのようなことなのでしょうか。これを理解するためにはそもそもネットワーク設計が
どのような仕事であるのか理解している必要があるので、先ずネットワーク設計について説明します。
◆ ネットワーク設計とは
ネットワークエンジニアが行うNW設計とは、ヒアリングや提案などから始まり、要件分析結果から
メーカーや機種選定、ISP・WAN回線選定の後、物理配線/配置設計、基本論理設計、詳細論理設計、
アドレス設計、経路設計、冗長設計、階層設計、セキュリティ設計、切替設計、最適化設計などの事
を意味します。ベンダー側のネットワークエンジニア、情報システム部のネットワークエンジニアに
関係なく上記内容は共通して考える必要があります。ネットワーク設計者・管理者は上記の設計事項
を運用・保守体制を考慮しながら設計してそれを分かりやすくドキュメント化させる必要があります。
◆ ベンダーコントロールの実際の仕事内容
設計がどのようなものなのか理解できれば、例えば、ユーザフロントに立ちシスコ製品を中心とした
ネットワーク設計を行うためには、シスコ認定パートナーだけではなく電気設備業者、LAN配線業者
WAN回線業者さんらと連携しながら、プロジェクトを取り進める必要があることが分かると思います。
各設計分野におけるベンダーに対する適切な指示、ベンダーの納品物に対する精査、その仕様の評価
そしてそれらをフィードバックしベンダーへ依頼等を実施していくことがベンダーコントロールです。
従ってベンダーコントロールは一般的に情報システム側のネットワークエンジニアの仕事と言えます。
※ ベンダー側のNWエンジニアも下請け業者と作業する際にはベンダーコントロールのスキルが必要。
◆ ベンダーコントロールの技術力があれば
このベンダーコントロールは技術力があればとても楽しいです。例えばプロジェクトのリーダとなり
ベンダーコントールしていくことになれば、責任はかなり重いですがとても勉強になります。例えば、
一つの大企業ネットワークは政治層の問題があるとはいえ、その構築・設計は複数のベンダーによる
ソリューションを受けていることが非常に多いです。そうなると、例えばMKIさんのソリューションと
ネットワンシステムズさんのソリューションの両方を体験ができてコンフィグも一緒に作成できたりし
これは本当に勉強になりました。さらに給料は比較的高額で待遇もよく職場が華やかな事が多いです。
◆ ベンダーコントロールの技術力を身に付けるためには
ベンダーコントロール能力を磨くためにはプロジェクトのメンバーでもいいので経験値を得ていくこと
が重要だと思います。そのような経験ができない立場の人は例えばその役割がルータの現地調整だけで
あっても、得ている情報や要件から、他にはどのような手配が必要で、どのように指示すればいいのか
など考える癖をつけていると、ベンダーコントロールが未経験でも経験者として同様の思考が確立でき
いい仕事ができると思います。また、設計力、調整力、判断力以外に資料作成能力が求められますので、
閲覧が許されるものがあれば、既存の設計資料を積極的に見ていきましょう。なお、設計資料作成の際
には高品質を感じさせるような用語をちりばめて、読みやすさを意識して作成していくことが重要です。
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