◆ EIGRP - デフォルトルートの配布
EIGRPネットワークで、デフォルトルートを配布する方法は、大きく以下の4つの方法があります。
@ スタティックのデフォルトルートをredistributeコマンドでルート再配布させる
A スタティックのデフォルトルートをnetwork 0.0.0.0コマンドを定義して通知させる
B ip default-networkコマンドを使用して、デフォルトルートを通知させる
C ip summary-address eigrpコマンドを使用して、デフォルトルートを通知させる
実際の企業ネットワークで使用されている主な手法は@です。それでは、各設定を見ていきましょう。
◆ EIGRP - デフォルトルートの配布 その1
EIGRPネットワークにおいて、スタティックのデフォルトルートをredistributeコマンドで再配布させる
設定は以下となります。EIGRPにおけるデフォルトルートの通知といえば、一般的にこの設定で行います。
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 その1
(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 interface | next-hop
(config)# router eigrp as-number
(config-router)# redistribute static
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 設定例1
Cisco(config) # ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.16.1.254
Cisco(config) # router eigrp 1
Cisco(config-router) # redistribute static
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◆ EIGRP - デフォルトルートの配布 その2
EIGRPネットワークにおいて、スタティックのデフォルトルートをnetwork 0.0.0.0コマンドで通知させる
設定は以下となります。一般的にこのような設定は行いません。なお、この方法でデフォルトルートを設定
する時は、ネクストホップにインターフェースを指定する必要があります。
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 その2
(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 interface-id
(config)# router eigrp as-number
(config-router)# network 0.0.0.0
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 設定例2
Cisco(config) # ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 GigabitEthernet0/0
Cisco(config) # router eigrp 1
Cisco(config-router) # network 0.0.0.0
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◆ EIGRP - デフォルトルートの配布 その3
この通知方法はデフォルトルートの配布というよりも、ラストリゾートゲートウェイとなるデフォルト
ネットワークの生成と言えます。設定コマンドはip default-networkであり、コマンドのネットワーク
指定はクラスフルに指定する必要があります。また、デフォルトネットワークを生成するEIGRPルータが
そのネットワークに直接接続されているなど、デフォルトネットワークに到達性がある必要があります。
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 その3
(config)# router eigrp as-number
(config-router)# network address wildcard-mask
(config)# ip default-network classfull-address
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 設定例3
Cisco(config) # router eigrp 1
Cisco(config-router) # network 192.168.1.0 0.0.0.255
Cisco(config) # ip default-network 192.168.1.0
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◆ EIGRP - デフォルトルートの配布 その4
ip summary-address eigrpコマンドはデフォルトルートの配布のためではなく、本来は特定サブネットを
集約した集約ルートを通知するために使用しますが、0.0.0.0を指定することでデフォルトルートを生成して
ネイバーに配布することも可能です。ただしこの設定によりデフォルトルート以外は通知されなくなります。
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 その4
(config)# interface interface-id
(config-if)# ip summary-address eigrp as-number 0.0.0.0 0.0.0.0
◆ EIGRPのデフォルトルートの配布 設定例4
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/0
Cisco(config-if) # ip summary-address eigrp 1 0.0.0.0 0.0.0.0
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また、この集約ルートのAD値は「 5 」であることから、集約ルートを生成したルータで再配布された
デフォルトルート( AD値 170 )を持っていた場合、集約ルートを生成時に作成されるEIGRPのNull
ルート置き換えられてしまいます。デフォルトルートの集約ルートの設定前と設定後を見てみましょう。
◆ I/Fで集約ルートを設定する前のルータのshow ip routeの抜粋
D*EX 0.0.0.0/0 [170/307200] via 10.1.2.1, 00:02:06, GigabitEthernet0/0
◆ I/Fで集約ルートを設定した後のルータのshow ip routeの抜粋
D* 0.0.0.0/0 is a summary, 00:17:42, Null0
集約ルートを生成したルータで、別のルータから再配布されているデフォルトルートを消さないように
するためには、以下の設定の通り集約ルート生成時に、AD値を170よりも大きくすればOKとなります。
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/0
Cisco(config-if) # ip summary-address eigrp 1 0.0.0.0 0.0.0.0 200
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