◆ vPC ( virtual PortChannel ) とは
従来のPortChannelでは、スタック構成を除いて物理スイッチをまたいだ PortChannel を実現できません。
従って、下図のようなL2ループ構成を組み、STPによりブロッキングを行って片方のリンクしか使用しない
構成にする必要がありました。NexusシリーズでサポートされるvPC機能によって、物理的に異なる2つの
物理スイッチ間をポートチャネルで接続することができます。vPCの構成により、STPによる設計や管理が
必要なくなるだけでなく、2つのリンクを両方使用できるため利用可能な帯域幅が大きくなる利点があります。
◆ vPCとVSSの違い
Nexusシリーズで実装できるvPC、Catalyst6500シリーズで実装できるVSSの大きな違いは以下の通りです。
比較項目 |
vPC |
VSS |
マルチシャーシ EtherChannel |
○ |
○ |
ループフリートポロジー |
○ |
○ |
負荷分散 |
○ |
○ |
コントロールプレーン |
2つの独立ノード |
1つの論理ノード |
コントロールプレーンプロトコル |
ノード単位のインスタンス |
単一インスタンス |
スイッチの設定 |
それぞれ独立したコンフィグ |
1つのコンフィグ |
最大物理ノード |
2 |
2 |
ISSUサポート |
○ |
トラフィックの停止発生 |
スイッチ間リンクハードウェア |
10GE I/F |
SUP720-10G、6708、6716 |
EthernChannelプロトコル |
LACP |
PAgP+、LACP |
Dual Active検知 |
PeerキープアライブHelloメッセージ |
PAgP+、VCD、Fast-Hello keepalive |
※ ISSU (In-Service Software Update) : NX-OSではISSUを実行する機能を提供する。これにより他のモジュールにほとんど
影響を与えることなく完全なイメージアップグレードが可能。また、フォワーディング プレーンに影響を与えることなくNX-OSを
サービスの中断なしでアップグレードできる。これでソフトウェアのアップグレード中にフォワーディングをノンストップで実行可。
◆ vPC - 用語
vPC用語 |
説明 |
vPC |
vPCピアスイッチによって形成されたポートチャネル |
vPCピアスイッチ |
vPCプロトコルを実行し、vPCを提供するお互いの機器 |
vPCメンバーポート |
vPCを設定したvPCピアスイッチ上の物理ポート。 |
vPCピアリンク |
vPCピアスイッチ間の10GEのポートチャネル。vPCピアスイッチ間で同期のために使用
されるリンク。ピアリンクを使用してローカルピアからの発信パケットとしてタグ付けする。
対向のvPCピアスイッチのvPCメンバーポートの障害発生時に、データトラフィックを導く。
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vPCピア
キープアライブリンク |
リモートピアが正常に動作しているかどうかを判別する"セカンダリテスト"として使用される
L3通信パスを提供する。このリンクではデータトラフィックや同期トラフィックは送信されない。
※ このリンクのためにManagement0インターフェースを使用することをCiscoは推奨している。
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vPCドメイン |
vPCを構成する2台のvPCピアスイッチが所属するドメインのこと。 |
Cisco Fabric Services |
CFS。ステートフルな設定メッセージの送受信と同期をサポートするよう設計されたプロトコル。
vPCピアリンクでやりとりされる。vPCピアスイッチ間の状態の同期(MACテーブル等)を行う。
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vPC機能を有効化し、vPCピアリンクを確立すると、2台のvPCピアスイッチ間でCFS(Cisco Fabric Services)
メッセージが交換されるようになります。CFSメッセージが交換されることにより、vPCが設定されたローカル
スイッチ設定のコピーが、vPCが設定されたリモートスイッチに提供される。ここで、vPCを起動する前に解決
しておくべき設定上(vPCの設定の不一致だけでなくHSRP、PIMなど)の矛盾がないかどうかが確認されます。
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