ネットワークエンジニアとは、個々の通信デバイス(PC、スマホ、タブレットなどを含む)がネットワーク専用機器を介してデータを送受信できるようにするためのネットワークシステムを作るITエンジニアのことです。
ネットワークエンジニアが取り扱うネットワーク専用機器には、スイッチ、ルータ、無線AP、無線LANスイッチ、Firewall、IDS、IPS、負荷分散装置、呼制御サーバ、各種認証サーバー、セキュリティアプライアンス、SDN機器、ネットワーク管理・監視装置などがあります。
例えば、ネットワークエンジニアが企業のネットワークシステムを提案、設計、構築、保守、運用、監視する対象となるNW概要図は次のようなものとなります。※ 実際に顧客に提示する概要図はこのように適当なものではなく、分かりやすく内容のある資料にする事が大切です。
ネットワークエンジニアの仕事には提案、設計、構築、保守、運用、監視の種類があります。私はシスコ認定パートナーやいわゆるSIer(システムインテグレーション(SI)を行う業者)で長くお仕事をしているので、その視点でネットワークエンジニアの仕事がどのような内容であるのかを次回紹介していきますが、一言だけ先に申し上げますと、
一般論として「保守、運用、監視」に対し「提案、設計」は上流工程の仕事になるでしょうし感覚的にも上位の位置づけの仕事かもしれませんが、ネットワークエンジニアの仕事においてどの工程が偉いとか、すごいとかはなく、「提案、設計、構築、保守、運用、監視」の全ての工程が重要であり、どれが欠けても最適で高品質なネットワークシステムを維持できないので全ての役割のエンジニアをお互いに尊重し、友好的に仕事することが大切だと考えています。
ネットワークエンジニアの将来性
ITエンジニアという括りの中では「ネットワークエンジニア」以外に、サーバーエンジニア、インフラエンジニア、Webエンジニア、データベースエンジニア、サポートエンジニアそしてシステムエンジニア、プログラマーなど色々な職種がありますが、その中でも、ネットワークエンジニアという職種はかなり将来性があります。
SIerやCisco認定パートナーのネットワークエンジニアの場合、メーカーのハードウェア製品にはEoL( End of Life )があって4、5年に一度くらいのペースでリプレース作業が発生することから定期的な機器リプレース案件があるだけでなく、本社移転案件、新オフィス構築案件フロアーの増床案件など、競合ベンダーに競り勝つ必要はあるとはいえ、安定して仕事があり慢性的なネットワークエンジニア不足が続いています。
さらに「仮想化ソリューション」「クラウド技術」「SDNソリューション」などの新しい技術が台頭し始めた頃、ネットワークエンジニアの仕事が減るのではないか、と言われた頃もありましたが、結果はどうでしょうか、逆に仕事の幅が広がり仕事が増えましたよね。
ネットワークエンジニアが仮想化技術を身につけてテリトリーを広げられたり、クラウドではインフラ部分の設計・構築案件が増えたり、仕事が減るどころかますます仕事が増えました。
また、ネットワーク機器のデファクト・スタンダードであるCisco製品のおかげで、Cisco社は幅広い分野(幅広いレイヤー)に手を広げてくれていることから、その動きにあわせて自然とネットワークエンジニアのテリトリーが広がり、それが結果としてネットワークエンジニアの需要と将来性を高めています。
最新情報をキャッチアップしながら、常に新しいスキルを身につけていくという大変さはありますが、以上のことから、ネットワークエンジニアは将来性のある職種と申し上げられます。