ネットワークエンジニアの仕事内容とは Part2:保守、運用、監視

ネットワークエンジニアの仕事:保守とは

設計、構築作業が完了して運用フェースに入り、正常なネットワークシステム運用で機器障害またはソフトウェア障害が発生した場合、障害状態から正常状態へ復旧させるために機器交換などのメンテナンス作業を行う必要があります。これが「保守」作業です。

障害切り分けをどちらがどこまで行うのかは保守契約の内容により異なりますが、どのような保守契約の内容であっても、ある程度のトラブルシューティングの力が必要となる仕事です。また、発生しているトラブルや原因を相手に分かりやすく説明する力も必要となります。

システムの重要度が高い場合、保守契約時間は「24時間365日」となるのが一般的であるので保守の仕事をする場合、夜勤/交代制勤務となることから不規則な生活になる覚悟は必要です。

なお、いくつかのCiscoゴールド認定パートナー企業では「提案、設計、構築」業務の役割は自身の会社で担い、「保守、運用、監視」業務の役割は子会社に担わせる企業があります。

ネットワークエンジニアの仕事:運用とは

設計・構築作業により完成したネットワークシステムは、顧客側(ユーザー側)で運用を行うことが一般的ですが、ネットワークシステムの規模が大きい場合は、SIer側からネットワークエンジニアを派遣して客先に常駐して運用を行うケースもあります。

この運用では、導入したネットワークシステムにおいてネットワーク機器に設定変更の必要性が生じた場合はその設定変更作業を行ったり、トラフィックの利用状況、セキュリティ状況、システム稼働率などの情報収集を行い分析をして現状報告、改善策提示を行ったりもします。

ネットワークエンジニアとして常駐することになった場合、運用管理ソフトの例えば「 JP1、Systemwalker、Tivoli、Web SAM、Zabbix 」の運用スキルも求められることが多いです。

また、導入ネットワークシステムに追加で新規機器を組み込む場合、L2/L3スイッチ、ルータなど比較的に導入が簡単なケースである場合は、運用者がその設計・構築作業を行うケースもあります。お客様と毎日接する立場にあることから、ある程度ストレス耐性が強い人でないと大変かもしれません。

なお、SIerやシスコ認定パートナー等の企業のエンジニアが常駐しない場合、情報システム部のサーバ全般とネットワーク全般を担当されているインフラエンジニアがその運用を担うことになります。または、情報システム部内で「 サーバ担当 」と「 ネットワーク担当 」の役割が明確である場合、ネットワーク担当のネットワークエンジニアが運用の役割を担います

ネットワークエンジニアの仕事:監視とは

ネットワークシステムの監視自体は、SNMPマネージャなどの監視ソフトなどで行いますが、その監視システムで検知したエラーなどを、運用エンジニアや保守エンジニアに報告したり、問い合わせを行いその内容を確認して問題解決したりすることが主な仕事です。

なお、監視だけを専門にお仕事をする場合もあれば、運用と監視をセットでお仕事をする場合もあります。当方は「運用 監視」からネットワークエンジニアの仕事をスタートさせました!

ネットワークエンジニアが運用監視を行うことになると、運用管理ソフトの例えば「 JP1、Systemwalker、Tivoli、Web SAM、Zabbix 」の運用スキルも求められることが多いです。これらの統合管理ソフトを利用して、監視端末から「死活監視」と「リソース監視」の大きく2種類の監視を行ったり、必要に応じて各種情報収集を行います。

・ 死活監視 : 監視対象機器が正常に稼働して通信できる状態であることを監視
・ リソース監視 : 監視対象機器のCPU、メモリ、ディスク使用率、NW使用状況の監視

検知したエラーやイベントなどに対して、社内マニュアルに従って正常状態へ復旧させることができて正しくレポートを上げることができれば、監視エンジニアだけで完結することができますが、複雑な問題が発生している場合は定められたエスカレーション先に問い合わせを行い運用エンジニアや保守エンジニアと連携して対応する必要があります。

保守作業と同様に、監視の仕事は夜勤・交代制勤務となることが多いことから不規則な生活になる可能性があります。しかし、この監視の仕事はNWエンジニアに転職したい人にとっては登竜門的な仕事内容ですので、ネットワークエンジニアになれるチャンスの仕事と言えます。

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