ネットワークエンジニア:見積ミスを防ぐには

提案、設計のお仕事をしているネットワークエンジニアは、営業がお客様へ提示する見積書の機器構成や作業工数を算出する必要があります。仕様上問題のある機器の組み合わせにしたり必要数が不足していたりして、不適切な機器見積りの状態で発注処理が完了してしまった場合そのリカバリーのために営業側で損失が発生してしまい、大問題となることもあります。

ここでは機器構成を作成する上で重要なポイントをお伝えしたいと思います。なお前提としてCiscoなどメーカーの見積ツールがある場合にはそれを利用することはマストとなりますし、社内に見積テンプレートがある場合にはそれを活用することが重要です。

本記事では、「台数や個数が足りない」や「仕様上動作しない」などの問題が発生してしまうことを回避するために、当方がいつも行っていることを紹介したいと思います。

見積ミスの防止:ネットワーク構成図を作成しましょう!

機器見積りだけでなく提案書も一緒に提示する場合には、ネットワーク概要図も作成するので当然のことなのですが、例えば提案書の提出が必要なく、アカウント対応しているお客様から見積もり依頼がある場合です。

機器構成と作業費用の提示だけではなく、機器構成・台数などが分かるネットワーク構成図もあわせて提出することをお勧めします。もちろん、ネットワークエンジニアが稼働する際には常に稼働工数を意識する必要があるので、あまり時間をかけられないとは思いますが、可能な限り、パワーポイントなどでお客様にも分かりやすいNW構成図を作成しましょう。

その理由として、構成図を書いているうちに「 あっ、SFPモジュールの数が足りない! 」など見積機器の不足を発見できることがよくあるからです。実際に機器間のリンクを描いていくとそのような発見をよくできます。

また、作成した構成図をお客様が見ることで、お客様が見積依頼の内容が間違っていたことをお客様に気づかせるようなこともあります。そして、より正確な認識の相違がない機器構成を提出することができます。

以上のことから、どのような内容の見積依頼であっても、なるべくネットワーク構成図も作成することをお勧めします。メリットが大きいです。

見積ミスの防止:仕様確認は徹底しましょう!

発注処理の完了後の早い段階で機器構成の問題があることが判明した場合、経済的損失だけで問題は解決されますが、機器が検査場に入荷し納入前の動作検証をしている段階などの時期に仕様上の問題で正常な動作しないこと判明した場合は、納期に間に合わないなど大変な事態となってしまうこともあります。

ですから、お客様に機器見積りを提出する前に、要件を満たすための通信を行えるかどうかサイジングに問題がないかどうかを社内で裏取りする必要があります。

◆ 社内事前確認:通信要件と機器構成は実績があるかどうか

◆ 社内事前確認:サイジング(機器のスペックなど)に根拠はあるかどうか

◆ 社内事前確認:最小構成で動作検証を行い、要件を満たした通信を行えるかどうか

もちろん、機器見積りに多くの時間はかけられないので効率よく同じ課のメンバーにも協力や助言を得ながらお仕事を取り進めましょう。

見積ミスの防止:上司を巻き込んでクロスチェックしましょう!

課長は課員マネージメントの仕事で忙しいですから、全ての案件で機器見積のクロスチェックの協力を得るのは現実的ではないですし、ある程度は自分で処理する必要があります。

しかし、グロス価格で例えば億以上の案件など、比較的高額な機器見積りとなってしまう場合別途打ち合わせ時間を設けて、ミーティングルームなどで上長を巻き込んだクロスチェックをすることを強くお勧めします。

上長もレビュー者に参加させることで、後に問題がなった場合には良い意味で後ろ盾となってくれます。また、そもそも課員のミスは課長にもふりかかってくるので、そういう意味でも、比較的高額な機器見積りとなる場合には上司を巻き込んでクロスチェックしましょう。

以上、紹介した3点に気をつけて頂ければ見積ミスは防げるはずです。ご参考頂ければと。

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