ネットワークエンジニアの働き方に「フリーランス」という形態がありますが、フリーランスとは何であるのかを先ず説明します。
ネットワークエンジニア:フリーランスとは
フリーランスとは、Wikipediaでは以下のように定義されています。
特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。
以上の通り、正確にはフリーランスという用語は「個人事業主」と「個人企業法人」の2つの意味があることになりますが、転職サイトなどでは、「フリーランス = 個人事業主」という意味で使用されている場合もあります。
ネットワークエンジニアでフリーランスとして働くということは、正確には「個人事業主」のネットワークエンジニアとして働くというのが一般的です。
※ なお、個人事業主のネットワークエンジニアとして働く人はとても少数です。
ネットワークエンジニア:フリーランスの契約形態
正社員は勤務先の企業と「雇用契約」を結びます。派遣社員は派遣会社の企業と「雇用契約」を結びます。それに対して、フリーランスは企業と「請負契約」を結びます。またはいわゆるフリーランスの業務形態として、納品物ではなく期間により報酬が決まる「委任契約」を結ぶ場合もあります。
フリーランスの一般的な契約締結(業務委託)の流れ
NWエンジニアに限らず、フリーランスの一般的な業務委託の流れは以下のようになります。
Step1:仕事の依頼、提案、見積もり
Step2:契約条件の交渉
Step3:契約締結、守秘義務契約も含む
Step4:受注側:契約内容に基づいた業務の遂行、納品物の提出
Step5:発注側:納品物の精査、検収
Step6:発注側:費用の支払い
単発の仕事を毎度契約するというケースもあれば、長期間の契約を結んで、その契約期間内で案件ごとに注文書を受け取りお仕事をするケースもあります。
以上の内容は営業さんからすれば常識ではありますが、技術的なお仕事しかしていない場合のネットワークエンジニアにとっては耳慣れない内容かもしれません。
ネットワークエンジニア:フリーランスは確定申告が必要
フリーランス(個人事業主)として仕事をする場合は、事前に税務署に「開業届」を提出する必要があります。青色申告、白色申告がありますが、65万円の特別控除が受けられるメリットがある青色申告を使用するのが一般的です。ただし、青色申告は複式簿記での記帳が義務付けられていることから、色々な知識が必要となります。
ネットワークエンジニア:フリーランスの税金の扱いなど
ネットワークエンジニアの個人事業主としてお仕事をする場合、自営業者やフリーターと同様国民年金と国民健康保険の加入が必要となります。
正社員や派遣社員の場合、健康保険の約半分は企業側で負担してくれるのですが、個人事業主の場合は全額負担となるので、最初は国民健康保険の納付金額の高さに驚く人が多いです。
ネットワークエンジニア:フリーランスとして働くことの難しさ
先ず、個人事業主として仕事を得られるネットワークエンジニアは極めて少ないです。企業は基本的に自社の正社員で対応させますし、外注する場合も今まで取引実績のある信頼ある企業などに発注するため、よく分からない個人事業主に発注することはほとんどありません。
そして、成果が「個人の能力によって大きく依存」する職種でフリーランスは多いことから、ネットワークエンジニアよりも、プログラマーやWebデザイナーなどの職種でフリーランスが多いですし、優秀なプログラマーに最もピッタリな働き方と言えるのではないでしょうか。
色々な働き方があるかもしれませんが、個人的には、正社員のネットワークエンジニアが一番無難な働き方であるとは思います。