以下の職務経歴書の書き方その2は ネットワークエンジニア - 職務経歴書の書き方 その1 の続き。


  ◆ ネットワークエンジニア - 職務経歴書 - 取得資格について

  取得資格は、あなたのスキルを客観的に証明できる有効な手段なのでしっかりと記入しましょう。

   


 ※ CCIE R&Sは希少価値は低下しており以前のような強い効力はありませんが、依然として採用時における優位性はあります。
 ※ CCIE R&Sを取得していて、Juniper製品、F5製品などの他メーカー製品にも精通している守備範囲の広さが重要となります。
 ※
CCIE SPはキャリア部署、CCIE collaborationはテレフォニー部署、CCIE Securityは多くの部署で歓迎される有効なカード。


 ◆ ネットワークエンジニア - 職務経歴書の空白期間

 例えば以下のような職務経歴の概要である場合、この人は“2ヶ月間の空白期間があった人”を意味します。

 2011年4月 〜 2013年3月 ABC株式会社
 2013年6月 〜 2015年4月 DEF株式会社

 このように2カ月くらいであれば全く問題ありませんが、あまりに空白期間が長い場合(例えば1年)は、
 その理由を聞かれるし、華やかな経歴があっても同じレベルの仕事を求めても不採用になる可能性が高い。
 空白期間に対する期間ごとの内容や対策は以下を参考して下さい。この内容はあくまでも“参考情報”です。
 なお、転職会社は企業に送り込む相手を正確に知る必要があるので、細かく厳しく聞いてくるでしょうが、
 あまり気にする必要はありません。採用するかどうか決めるのは転職会社ではなく就業先の面接官なのです。

空白期間 内容/対策
3ヵ月以内


 問題ありません。面接時に聞かれても、「引越し休暇、育児休暇、自分探し」などと言えばOK。
 ただし、面接官の顔色に応じて、「技術レベルを落とさないように技術書を読んだり、自宅で検証
 をしていた」などの理由を添えれば、なお良しです。当方が面接担当の際は特に聞いたりしません。


6ヵ月以内


 問題視される可能性があり、理由を聞かれる場合もあれば、ギリギリ問題視されない可能性も
 あります。つまりこの6ヵ月がギリギリのラインだと考えた方がいいです。書籍を書いている人
 など執筆活動をしている人は、その理由で通るかと思います。また、ボイス系のレアなスキルを
 有する方、華やかな経歴のある方、CCIEを持っている方は、問題なく採用されるかもしれませんが
 いずれにせよ、少しでもプラスの印象を与えるような空白期間に対する理由は練っておきましょう。

9ヵ月以内


 理由は聞かれます。採用側としてはリハビリ可能かどうかを見極める必要があります。相当な
 華やかな経歴とCCIEを持っていれば「その人のベースの能力証明」になるので、なんとか採用
 される可能性もありますが、特別な理由がなければいくらCCIEでも不採用になる可能性もあり。
 こうならないためにも、短期の派遣社員(そんなに多くありませんが)でもいいので空白期間の
 なかで、何らかのネットワークエンジニアの仕事をしておいた方がいいです。

12ヵ月以上


 
不採用になる可能性が高いです。仕事のレベルや年収は前職より落ちることは覚悟して下さい。
 空白期間(社会でエンジニアをしていない期間)が1年を超えるというのは、高度情報処理技術者
 であるネットワークエンジニアにとっては大きな問題です。長期間の休暇を取る方は色々な事情が
 あるかもしれませんが、NWエンジニアに限らず、ITエンジニアにとって、とてもリスクなこと。



 ◆ ネットワークエンジニア - なぜ上位層まで求められるようになったのか

 以前はネットワークエンジニアといえば、Layer1〜Layer3で動作するネットワーク機器の設計/構築を
 守備範囲としてきましたが、現在は最終的にLayer1〜Layer7までを精通するネットワークエンジニアを
 企業は求めています。なぜ上位層まで踏み込んできているのでしょうか。理由は大きく3つ考えられます。

 @ L2/L3がシンプルになった

 以前はLayer2のLANといえばEthernet、TokenRing、FDDIなのかと選択肢があり、またWANといえば、
 FrameRelay、モデム接続、ISDN、シリアル接続、専用線接続、IP接続なのか色々な選択肢がありました。
 そしてLayer3といえばIP、IPX、AppleTalkなのかルーテッドプロトコルにさえ選択肢がありました。が、

 今では、LANといえばEthernet、ルーテッドプロトコルといえばIP、WANといえばそれらの技術を利用
 した広域イーサネットやIP-VPN、またはFTTHなど非常にシンプルとなりました。つまり、L2/L3で実装
 する技術は、ネットワークエンジニア、サーバエンジニアに関係なく、ITエンジニア全般の常識の範囲と
 なってしまい、現在ではこれらの実装技術だけのエンジニアとしての市場価値が低くなってしまいました。
 つまり、企業が利潤を追求するためには従業員の市場価値を高める(上位層への踏込み)が必要になった。


 A シスコの製造する機器の影響力

 Cisco製品がNetwork機器のデファクトスタンダードの位置づけである以上、ネットワークエンジニアは
 そのシスコ製品の技術を常にキャッチアップし続ける必要があります。現在ではシスコは以前よりかなり
 上位層のアプライアンス製品の販売に力を入れています。呼制御サーバであるCUCM、認証サーバのISE、
 高度セキュリティ製品のIDS/IPS製品、WAN高速化装置であるWAASなどは企業ネットワークシステム
 においては、以前よりもかなり一般的に導入する製品となってきています。そしてそのアプライアンスを
 自由自在に扱えるエンジニア(上位層を制御できるエンジニア)が必要とされています。


 B IPという最大の武器を持つネットワークエンジニアの宿命

 IPという最大の武器を持つネットワークエンジニアは、統合や融合の過程で常に淘汰する側の存在なので
 必然的にLayer1 〜 7 まで守備範囲となってしまいます。レガシーPBXを喰ったネットワークエンジニア、
 FC-SANのファイバチャネルを追い込み、IP-SANやFCoEによりストレージネットワークをも制圧しよう
 とするネットワークエンジニア、各種サーバ機能を吸収したアプライアンスを自在に操るNWエンジニア、
 IP化への強い流れのなかで、次はどのようなテクノロジーをネットワークエンジニアは喰らうのだろうか。



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