◆ ネットワークエンジニアの雇用形態
ネットワークエンジニアにとってどのような雇用形態があるのかを先ず初めに紹介します。大きく以下の4つ
のパターンがあります。フリーランスという言葉がありますが税務署からすればこの存在はなく、給与所得者、
個人事業主のいずれかです。一般的には「個人事業主=フリーランス」と定義して使用されていることが多い。
雇用形態 |
税務署から見ると |
説明 |
正社員 |
給与所得者 |
正規雇用で期限のない雇用契約を結んだ従業員 |
契約社員 |
給与所得者 |
期限のある雇用契約を、企業と直接契約した従業員 |
派遣社員 |
給与所得者 |
期限のある雇用契約を、派遣会社と契約した従業員 |
個人事業主 |
個人事業主 |
法人を設立せずに自ら事業を行い、企業と直接契約した従業員 |
以降では、ネットワークエンジニア業界という観点で正社員、契約社員、派遣社員、個人事業主の言葉を使用。
◆ どの雇用形態で働いているネットワークエンジニアが多いか・・・
一般的にはベンダー、情報システム部に関係なく、正社員のネットワークエンジニアが比率が一番大きくなり
そして、ベンダーよりも情報システム部のネットワークエンジニアの方が正社員比率が大きい(常駐者除く)。
企業にもよりますがベンダーのネットワークエンジニアの正社員比率は60%前後くらいが多いかと思います。
ベンダー、情報システム部ともに個人事業主の比率はとても低い。1つの部に数人いるかいないかくらいです。
※ NWエンジニアが10名以下の企業規模の情報システム部では、正社員の比率が80%以上となる企業が多い。
ベンダー、情報システムともに契約社員のネットワークエンジニアというのは割合が少ない。契約社員として
雇用する場合、取引企業の情報システム部に常駐させる、というパターンが多い。そして常駐パターンの場合
常駐業務がなくなれば仕事がなくなるので、その時にその契約社員の雇用契約も終了させるという訳なのです。
※ 出向社員とは雇用形態としては正社員または契約社員であるが、関係会社などに転出して勤務する従業員。
◆ ネットワークエンジニアにとって収入の高い雇用契約
これは多くのベンダーで共通しています。1位:個人事業主、2位:一般派遣、3位:正社員、4位:特定派遣。
この順位は同じような年齢、同じようなスキルを前提とします。ちなみにこの全ての順位において、次の順位
との収入差は僅差ではなく大きな差があります。仮に常駐者でないのにベンダーで就業していて正社員よりも
収入が少ない派遣社員のネットワークエンジニアは、時給を低く抑えられすぎです。※ 40時間の残業が前提。
特定派遣が収入が少ない理由は、出向先からの契約金額から出向元の大きな利益を引いた金額が給与として
反映されるからです。出向社員(特定派遣)は出向元で正社員という身分保障が得られますが、メリットは
それだけといっても過言ではありません。※ Ciscoパートナー営業や技術員などのメーカーの人がベンダに
対し出向するという場合は上述の内容に該当しません。また、その出向先に入り込む(契約を結ぶ)ことで
自社への案件発注するという手法を取っている場合等も本内容は当てはまりません。本内容は、ベンダーで
いわゆる一般的な設計/構築作業などを、正社員や派遣社員と同じような仕事をするエンジニアが該当します。
◆ ネットワークエンジニア - 各雇用形態のメリット、デメリット
収入の高い順 |
メリット |
デメリット |
個人事業主 |
・ 最も年収が高い。
・ 企業と独自の雇用契約を締結できるため、
契約内容によっては大幅な年収増も可能
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・ ベンダーと個人事業主として契約するために
色々なハードル(信用、税の知識など)がある。
・ 高度なスキルまたはレアなスキルを有して
いなければ、割に合う収入増は見込めない。
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派遣社員
(一般派遣) |
・ 一般的に正社員よりも収入が高い
※ 残業時間が40時間を超える場合
・ スキルが高ければ高いほど高収入
※ レアなスキルを有している人には最適
・ 派遣会社に登録されている案件から、
やりたい仕事内容、都合のよい勤務地、
勤めてみたい会社を自由に選べられる。
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・ 社会身分が低く、住宅ローンを組むのが難しく
クレジット( ゴールドの場合)作成もやや難しい。
・ 残業時間が30時間以内であれば、正社員より
給料が低い場合もある。
・ 派遣先の業績が極端に悪かった場合、年度末
の人員調整の際に契約解除される可能性がある。
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正社員 |
・ 安定した社会的ステータスが得られる。
・ 業績良好の場合、ボーナスに反映される。
※ 上方修正レベルでないと期待はできない。
・ 残業時間が少ない人(20時間以内)であれば
時給単価としては、とても高いことになる。
・ 会社から大きな教育支援を受けられる。
・ 高度スキルを習得できる案件を任せられる。
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・ 配属先が希望通りにならない場合がある。
・ 年棒制である場合、残業代が“雀の涙”レベル
であることが多い。年棒制でなくても、派遣社員
のように厳密に請求できていないケースが多い。
・ 個人事業主や派遣社員に比べて年収が低い。
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出向社員
(特定派遣) |
・ 安定した社会的ステータスが得られる。
・ 比較的簡単に正社員になることができる。
※ 例えば、シスコ認定ゴールドパートナーの
正社員への道は非常に狭き門であるため。
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・ 最も年収が低い雇用形態。
・ 出向元の経営者は人員を送り込むことを最優先に
考えるので、派遣社員のように行ってみたい勤務先
を選択することができないことがほとんどである。
・ エンジニアを出向させることが収益の大きな柱で
ある場合は、会社としての将来性はあまりない。
・ 年齢が高くなればなるほど、つらい状況になる。
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自分の納得のいく働き方をしている人、納得いく
年収を得ている人は、情報収集に好き嫌いがない
人が多いです。“情報収集に好き嫌いがある人”は
例えばある情報が気になったとしても「この種の
情報は気を引かせるだけで実際には役立たない」
と思いこみにより情報を排除する傾向があります。
ネットワークエンジニアとして働きがいを感じて
納得のいく収入を得るためには、とにかく貪欲に
幅広く情報収集しておく事が大切だと考えています。
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◆ ネットワークエンジニアの雇用形態 - レビュー
ネットワークエンジニアとしてどのような雇用形態で仕事をするのが良いのかは、何に重点を置くのか、
個人の価値観、所属する会社、出会えた仲間により大きく変わると思いますが、個人見解は以下の通り。
雇用形態 |
推奨度 |
レビュー |
正社員 |
◎ |
特に20代は派遣社員に比べて大きく年収差があるかもしれませんが、シスコ認定
パートナーのネットワークエンジニアになれるなら、IT業界では年収が高い方ですし
安定した社会生活、充実した教育支援、確実なスキルアップが得られるので、やはり
正社員が一番良いかと思います。また、恋人や婚約者がいる場合にはなおさらです。
※ 紹介予定派遣という手もあるので、色々なかたちで正社員へ道を目指しましょう。
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契約社員 |
△ |
企業の使い捨て要員になってしまうことが多い。この雇用形態で契約を結ぶ場合
それ相応の年収を要求しましょう。自分の納得のいく年収が得られないなら、派遣
社員として仕事をする方が良いかと思います。お勧めできない雇用形態と言えます。
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派遣社員
(一般派遣) |
○ |
組織改編を伴う年度末は特に不安定さを感じる雇用形態ですが、自身のネットワーク
技術力を収入に反映(直結)できること、色々な会社を知ることができること、やりたい
仕事を選べることなど魅力も多いです。ただし、不安定さゆえに、派遣社員として仕事
をするのは、30代前半くらいまでが理想です。絶対的自信があるならずっと派遣もあり。
※ どれほど高額な所得を得られたとしても、高額な住宅ローンを組むのは大変難しい。
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出向社員
(特定派遣) |
△ |
出向元で正社員として身分保障(社会的ステータス)は得られますが、戦略ある出向
ではない限り、あるいはその出向元が人材派遣以外の大きな収益の柱がない場合は
色々と苦労があるかと思います。また、派遣社員や契約社員よりも、大きなピンはねが
発生するので、どうしても年収は低くなってしまいます。お勧めできない仕事のスタイル。
※ Ciscoのようなメーカーが認定パートナーに出向するようなケースは該当しない。
※ 上の立場(親会社など)から、下の立場への出向する場合もこの内容に該当しない。
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個人事業主 |
○ |
そもそも個人事業主としてベンダーが雇用契約を結ぶに至るまでが長い道のりです。
そして、安定度はやはり正社員の方が上です。ただし、独自の雇用契約の締結や
幅広い事業活動を行えること(正社員の就業規則が適用されない)から、高額な所得
を得られるチャンスがあります。当然、全ては自己責任となるのでもろ刃の剣ですね。
※ CCIE Security or Collaboration or SPの取得が重要。提案力などもポイントです。
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