◆ サーバとは
サーバ(サーバー)は、ネットワーク上で他のコンピュータからの要求や指示により、情報処理の結果を
返してサービスを提供するコンピュータのことです。サーバからサービスを受け取る側のコンピュータを
クライアントと言います。サーバは多くの種類があり、様々なサービスをクライアントに提供しています。
サーバはコンピュータに一方的にサービス提供するのではなく、クライアントからの要求を受信してから
サーバは応答して処理が開始されてサービス提供します。このように、クライアントから要求して、次に
サーバが応答する形で処理して役割分担するシステムのことを、クライアントサーバシステムと言います。
◆ サーバソフトウェア
サーバはクライアントからの要求に応じてサービスを提供する「コンピュータ」のことですが、正確には
サーバはクライアントからの要求に応じてサービスを提供する「ソフトウェア」のことであると言えます。
コンピュータにサーバ機能を持つソフトウェアをインストールすれば、そのコンピュータはサーバという
ことになります。サーバソフトウェア(サーバ機能を提供するソフトウェア)には多くの種類があります。
先ず、表1でサーバの種類について説明します。続いて、表2で代表的なサーバソフトウェアを紹介します。
◆ 表1:サーバの種類
サーバの種類 |
説明 |
Webサーバ |
Webブラウザからのリクエストに応じて、文字や画像等のホームページのデータを送信するサーバ
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APサーバ |
WebブラウザとWebサーバとの接続管理、データベースへの接続機能の提供などを行うサーバ |
DBサーバ |
APサーバからの要求に基づき、データの検索、登録、修正、削除などを実行するサーバ |
メールサーバ |
メールの送信、受信の役割を持つサーバ( SMTPサーバとPOP3サーバ )
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ファイルサーバ |
ネットワーク上でファイルを管理、共有するためのサーバ
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プリントサーバ |
ネットワーク上に配置されたプリンターを複数のクライアントから利用できるようにするサーバ |
DHCPサーバ |
ネットワーク利用で必要となるIPアドレスの設定情報をクライアントに自動的に割り当てるサーバ |
DNSサーバ |
ネットワーク上のドメイン名とIPアドレスを変換する仕組みを提供するサーバ |
プロキシサーバ |
安全確保のためにインターネットへの通信を代理で行うサーバ |
SIPサーバ |
IP電話システムにおいて、サービスの管理と制御を行うサーバ |
FTPサーバ |
FTPを利用してファイルの送受信を行うサーバ |
VPNサーバ |
VPN(仮想専用線)接続を制御、管理するサーバ |
NTPサーバ |
正確な現在の時刻情報を配信するサーバ |
SYSLOGサーバ |
ログメッセージを受信、分類、管理、保存するサーバ |
SNMPマネージャ |
ネットワーク経由で機器の監視、制御するためのサーバ |
◆ 表2:サーバソフトウェアの種類
サーバの種類 |
サーバソフトウェアの例 |
Webサーバ |
Apache(オープンソース)、Nginx(オープンソース)、IIS(マイクロソフト)
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APサーバ |
Apache Tomcat(オープンソース)、IIS(マイクロソフト)、WebLogic Server(オラクル) |
DBサーバ |
MySQL(オープンソース)、SQL Server(マイクロソフト)、Oracle Database(オラクル) |
メールサーバ |
sendmail、qmail、Postfix(オープンソース)、Exchange Server(マイクロソフト)
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DNSサーバ |
BIND(オープンソース)、DNS Server(マイクロソフト) |
プロキシサーバ |
Squid(オープンソース) |
SYSLOGサーバ |
syslog-ng、rsyslog(オープンソース)、Kiwi Syslog Server |
SNMPマネージャ |
net-snmp(オープンソース)、JP1/Network Node Manager i(HITACHI) |
1台のハードウェア上で複数のサーバソフトウェアを動作させることもできます。例えば、DHCPサーバと
DNSサーバを1台のハードウェア上で動作させることができます。これによりリソースが有効活用できます。
◆ サーバOS:UNIX系とWindows系
クライアントのPCに、Windows OSやMac OSのクライアントOSのインストールが必要であるのと同様に
サーバ側のハードウェアに、サーバOSをインストールする必要があります。サーバOSとはサーバ用に開発
された高性能で安定性のあるOSのことです。専用ハードウェアなどに、サーバOSをインストールした上で
サーバソフトウェアをインストールして、サーバとして動作させます。
サーバOSには、大きくUNIX系とWindows系の2種類があります。代表的なUNIX系のサーバOSとしては
LinuxやAIXなどが挙げられます。Windows系としてWindows Server 2019や2022などが挙げられます。
UNIX系サーバOS:例 |
Windows系サーバOS:例 |
・ Red Hat Enterprise Linux(企業向けの有償版)
・ CentOS( Red Hat Enterprise Linuxの無償版 )
・ Ubuntu( Debianベースで作られた無償パッケージ)
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・ Windows Server Essentials
・ Windows Server Standard
・ Windows Server DataCenter
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一般的に外部公開用のサーバとしてUNIX系のサーバOSが使用されて、社内系のサーバにはWindows系の
サーバOSが使用される傾向にあります。UNIX系とWindows系のサーバOSの特徴などは以下の通りです。
特徴 |
UNIX系サーバOS |
メリット |
・ 機能性、安定性、セキュリティ性が高い
・ オープンソースであることから、無償利用可能なパッケージが多い
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デメリット |
・ CLIベースであり、GUIに比べて操作が難しく高い技術力が必要
・ 無償のライセンスでコストを抑制できるが、サポートがなく自己解決が必要
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利用シーン |
・ Webサーバとして使用されるケースが多い |
特徴 |
Windows系サーバOS |
メリット |
・ GUIベースで分かりやすい画面で操作が可能
・ Windowsクライアントのシステムを構築しやすい
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デメリット |
・ OSのライセンス料金が高い
・ 使用するユーザ(デバイス)の分だけ利用権(CAL/Client Access License)も別途必要
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利用シーン |
・ 社内系のメールサーバ、DNSサーバ、ファイルサーバとして使用されるケースが多い |
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