◆ サーバのハードウェア
サーバOSやサーバソフトウェアをインストールするためのハードウェアは、ノートパソコンであっても、
サーバ用のハードウェアであっても、サーバソフトウェアが動作するシステム要件をクリアしている場合、
何でも良いと言えますが、企業に導入するサーバは高性能、可用性、信頼性のあるサーバ用ハードウェア
を選定する必要があります。代表的なサーバ用ハードウェアにHPEの「ProLiantサーバ」が挙げられます。
サーバ用ハードウェアの中で、サーバの中では簡易的で低価格を実現したPCサーバと呼ばれるサーバが
あります。PCサーバの基本的な設計はPCと同じですが、サーバとして必要な高性能、信頼性、可用性を
高めるために改良されています。CPUにインテルx86系プロセッサを使用しているケースが多いことから
x86サーバと呼ばれたりIAサーバと呼ばれることがあります。下図は、富士通とNEC製のPCサーバです。
◆ サーバ:筐体の種類
サーバの筐体の種類・形状はタワー型、ブレード型、ラックマウント型の大きく3種類に分類できます。
筐体の種類 |
説明 |
タワー型 |
デスクトップPCのタワー型と同じ形状。静音性や拡張性に優れており中小企業でよく導入される。
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ブレード型 |
シャーシと呼ばれる筐体に差し込む形状。データセンターや大企業でよく導入される。 |
ラックマウント型 |
サーバルームの専用ラックに搭載できる形状。データセンターや大企業でよく導入される。 |
企業に導入される代表的なサーバ用ハードウェアもラックマウント型が多いので、インフラエンジニアや
サーバエンジニアとして仕事をしていく上で、導入数が最も多くなる形状がラックマウント型と言えます。
ラックマウント型サーバは、筐体のサイズが19インチラックの1つの区画(ユニット)に収まることから
1Uサーバとも言われます。※ データセンターやサーバルームに設置されているラックの1ユニット分の
サイズを 1U と言います。現在では、2U以上のサイズのラックマウント型サーバがとても増えています。
◆ サーバとなるコンピュータを構成するハードウェア
サーバとなるコンピュータは、キーボードなどの入力装置を除くと、CPU、メモリ、ストレージ、NICの
主に4つのハードウェアから構成されます。導入するサーバの用途に応じ適切なハードウェアを選定します。
実際のハードウェア選定では、システム要件や実績などの情報に基づいて行われることになります。
ハードウェア |
画像 |
説明 |
CPU |
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CPU(Central Processing Unit)は、コンピュータにおいて
中心的な処理装置として働く電子回路のこと。中央処理装置。
CPUのクロック周波数が高いほど処理能力が高くなっていくが
1つのCPUパッケージ内にプロセッサコアが2つ以上ある状態の
マルチコアが性能への影響が大きいことからも、マルチコア化
を図ることにより、処理性能を向上させる傾向にある。
消費電力上昇による発熱量の増大の対策の観点からも、現在は
低消費電力CPU、マルチコア、マルチプロセッサを選定の上で
重視する必要がある。
・ マルチコア:1つのCPUにプロセッサコアが複数あること
・ マルチプロセッサ:1台のコンピュータにCPUが複数あること
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メモリ |
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メモリはコンピュータ内でデータなどを記憶する装置。CPUが
直接読み書きできるRAMやROMなどの半導体記憶装置のこと。
サーバ用のメモリとして、データのエラーをチェックして修正
する機能を持つECCメモリ機能が付いていること、メモリの
冗長化機能であるメモリミラーリング機能により、信頼性と
可用性を高めることが重要となる。
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ストレージ |
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ストレージはデータを長期間保存するための大容量の記憶装置。
メモリのようにコンピュータの電源をOFFにしてもデータは消失
することはない。代表的なストレージとしてHDD、SSDがある。
SSDはメモリーを内蔵したドライブであり、データの読み書きが
高速に行える。容量単価として高価格な点がデメリット。
HDDはデータ容量当たりの価格がSSDに比べて安いことからも、
大量のデータを保存する用途としては最適である。
ストレージのRAID技術で、耐障害性を高めて信頼性を向上させる。
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NIC |
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NICはコンピュータをLANに接続するためのカード型の拡張装置。
現在では、1Gbpsまたは10Gbpsが主流となっているが、最近では
40GbpsのNICも搭載するケースも見受けられてきている。
サーバに複数のNICを搭載させることが一般的であり、10Gbpsに
比べて速度の遅い1Gbpsのインターフェースでは、帯域幅を拡張し
冗長化も実現できるチーミング技術により、信頼性を向上させる。
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