◆ アプライアンスサーバとは
特定のサービス向けに機能を絞り込み開発されたサーバ製品のことをアプライアンスサーバと言います。
アプライアンスサーバでは、サーバOSとサーバソフトウェアがインストールされた状態で出荷されます。
アプライアンスサーバのハードウェアは、ラックマウント型が多く1Uまたは2Uサイズの製品が多いです。
アプライアンスサーバにはLinuxのサーバOSなどに、特定用途向けのサーバソフトウェアを組み込んで
出荷されます。設定操作はネットワーク経由でウェブブラウザからHTTPS接続で行うことが一般的です。
アプライアンスサーバには、例えばDNSサーバ、DHCPサーバ、ファイルサーバ、プロキシサーバなどや
複数のセキュリティ機能を統合したUTM、負荷分散装置のロードバランサなども例としてあげられます。
アプライアンスサーバに例えばLinuxのサーバOSがインストールされていても、サーバOSの設定操作は
基本的に不要であるため、サーバ運用管理者はLinuxに精通していなくてもアプライアンスサーバの運用
管理を簡単に行うことができます。アプライアンスサーバには設定ウィザードや運用管理ツールもあり
PCで簡単に設定操作することができます。※ その製品や特定機能に対する知識があることが前提です。
◆ アプライアンスサーバ:汎用サーバとの違い
アプライアンスサーバのハードウェアは、汎用のサーバ用ハードウェアに比べて、特定サービス向けに
特化したハードウェア構成となっているため、高いパフォーマンスと低いコストが大きなメリットです。
一方、アプライアンスサーバでは最初に選定したハードウェア構成から変更することはできず、特定の
ハードウェアのパーツだけをアップグレードさせたり、アプライアンスサーバにインストール済みである
ソフトウェア以外のサーバソフトウェアを追加でインストールすることはできない点がデメリットです。
様々な用途に対応する汎用のサーバでは、導入する立場の技術者は、サーバ用のハードウェアを選定し
サーバOSをインストールして設定し、サーバソフトウェアをインストールし設定する必要がありますが
サーバソフトウェアさえインストールすれば、1台のサーバ用ハードウェアで様々なサーバになれます。
アプライアンスサーバの方が良い、汎用サーバの方が良いという事ではなく棲み分けることが重要です。
高いパフォーマンスが求められる場合や、サーバ障害発生時の切り分けの分かりやすさという観点から
重要度の高いサーバは専用のアプライアンスサーバとして導入する傾向がありますし、社内サーバとして
様々な社内系サービスを提供する際に、1台の汎用サーバにまとめても処理能力的に問題ない場合には、
汎用サーバとして導入する傾向があります。※ 企業規模やサービスの重要度により考え方が異なります。
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