◆ DHCP( Dynamic Host Configuration Protocol )サーバとは
DHCPサーバとは、LANなどに接続したコンピュータに、IPアドレスなどの設定情報を自動的に割り当てる
サーバのことです。ネットワーク機器やサーバなど同じIPアドレスを使い続ける機器には手動でIPアドレス
を設定しますが、企業のLANなどでクライアントPCのように台数が多くIPアドレスが変更されても問題ない
コンピュータには、DHCPサーバによりIPアドレスを動的に割り当てることが一般的です。
◆ DHCPの構成要素
DHCPの環境は「DHCPサーバ」と「DHCPクライアント」により構成されます。DHCPサーバになれるのは
Windowsサーバ、Linuxサーバ、ルータなどになります。DHCPサーバのアプライアンスサーバもあります。
構成要素 |
役割 |
使用する機器 |
DHCPサーバ |
IPアドレスの設定情報などを
DHCPクライアントに割り当てる
|
Windowsサーバ、Linuxサーバ、ルータなど |
DHCPクライアント |
IPアドレスの設定情報などを
DHCPサーバから割り当てられる
|
パソコン、IP電話など |
◆ DHCPサーバから割り当てられるIPアドレス情報
DHCPサーバから、DHCPクライアントに対して、以下のIPアドレスの設定情報を自動的に送信します。
・ IPアドレス
・ サブネットマスク
・ デフォルトゲートウェイ
・ DNSサーバのIPアドレス
・ IPアドレスの有効期限(IPアドレスのリース期間)
一方、DHCPサーバでは以下の設定をします。DHCPクライアントはLAN接続すると、DHCPサーバに設定した
割り当てるIPアドレスの中で、現在割り当てられていないIPアドレスを送信してクライアントに割り当てます。
DHCPクライアントの電源を落としたり、ネットワークから切断すると、自動的にIPアドレスは回収されます。
・ クライアントに割り当てるIPアドレスの範囲
・ クライアントに割り当てないIPアドレス(除外するIPアドレス)
・ クライアントに伝達するサブネットマスク
・ クライアントに伝達するデフォルトゲートウェイのIPアドレス
・ クライアントに伝達するDNSサーバのIPアドレス
・ クライアントに割り当てるIPアドレスの有効期間(IPアドレスのリース期間)
DHCPサーバを導入することで、クライアントPCのIPアドレスを手動で割り当てる必要がなくなるだけでなく
IPアドレスの重複による問題が起こりにくくなり、DHCPサーバ側でIPアドレスを一元管理できるメリットが
あります。なお、DHCPサーバに障害が発生した場合、クライアントへのIPアドレス割り当てができなくなる
ことから、企業ネットワークではDHCPサーバを2台配置して、DHCPサーバを冗長化させることが一般的です。
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