| ◆ A10 - VRRP-A設定
 
 VRRP-Aを実装することで最大8台までの冗長化構成が可能です。3台以上のHAを構成する必要がある場合、
 VRRP-Aによる冗長化構成を組みます。vThunderでHA構成を実装する際も一般的にVRRP-Aを使用します。
 VRRP-AはFloating IPアドレス、仮想サーバIPアドレス、IPv4/IPv6NATプールなどに冗長性を提供します。
 
 
 
        
          
            | 冗長化機能 | VRRP-A | 従来のHA |  
            | 対応モード | ゲートウェイモード | ゲートウェイモード トランスペアレントモード
 
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            | ADPサポート | パーティションごとの冗長化をサポート | パーティションごとの冗長化は未サポート |  
            | 冗長化台数 | 最大8台 | 最大2台 |  
            | コンフィグ | シンプル | VRRP-Aより設定箇所が多い |  
            | 冗長可能なリソース | SLB VIP(IPv4/v6) FloatingIP(IPv4/v6)
 Natpool(IPv4/v6), StaticNAT(IPv4)
 IPv6 RAのSource Address
 | SLB VIP(IPv4/v6) FloatingIP(IPv4/v6)
 Natpool(IPv4/v6), StaticNAT(IPv4)
 IPv6 RAのSource Address
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            | Session同期 | Vport単位での有効化、Peerの設定は不要 | Vport単位での有効化、Peerの設定が必要 |  
            | Failover | VRID(パーティション)単位で設定 | HAグループ単位で設定 |  
            | Pre-emption | デフォルトで有効、Thresholdが設定可能 | デフォルトで無効 |  
            | Inline-mode | 未サポート | サポート |  
 
      HAの場合、Active機のみが動作を行います。VRRP-Aの場合、Active機に着信したパケットはActive機で
 処理されますが、Standby機に着信した場合にはStandby機でも処理されます。
 
 VRRP-A、以下の3点を踏まえた設定を行う必要があります。
 @ VRRP-Aを構成するLBは、デバイスID(device-id)を異なるIDにすること。
 A VRRP-Aを構成するLBは、VRRP-AドメインとなるSet ID(set-id)を同じIDにすること。
 B VRRP-Aを構成するLBのうち、同じVRIDが定義されたデバイスの中で最大値のPriorityのデバイスが
 Active機となり、2番目に高いPriorityのデバイスがStandby機となり、3番目以降はBackupとなります。
 
 ◆ VRRP-AにおけるデバイスIDを指定( 1号機を「1」2号機を「2」と設定 )
 A10LB01(config)# vrrp-a device-id 1
 A10LB02(config)# vrrp-a device-id 2
 
 ◆ VRRP-AのSet ID(VRRP-Aドメイン)を指定(1号機と2号機を同じIDに設定)
 A10LB01(config)# vrrp-a set-id 1
 A10LB02(config)# vrrp-a set-id 1
 
 ◆ VRRP-Aの有効化
 A10LB0X(config)# vrrp-a enable
 
 ◆ VRIDの無効化(オプション設定)
 A10LB0X(config)# vrrp-a disable-default-vrid
 
 ◆ VRIDの指定、Preemptのディセーブル、FloatingIP、Priorityの設定
 A10LB0X(config)# vrrp-a vrid 1
 A10LB0X(config)# preempt-mode disable
 A10LB0X(config)# floating-ip 192.168.100.254
 A10LB0X(config)# floating-ip 192.168.200.254
 A10LB0X(config)# priority 110
 
 ◆ Active機において、VRIDのTrackingオプションでI/Fの指定(アップリンクとダウンリンクの指定)
 A10LB01(config)# tracking-options
 A10LB01(config)# interface ethernet 1 priority-cost 20
 A10LB01(config)# interface ethernet 2 priority-cost 20
 
 ◆ Active機において、VRIDのTrackingオプションでI/Fの指定(アップリンクとダウンリンクの指定)
 A10LB01(config)# vrrp-a interface ethernet 1
 A10LB01(config)# vrrp-a interface ethernet 2
 
 ◆ 仮想サーバが所属するVRIDを指定。セッション同期の設定( オプション )
 A10LB0X(config)# slb virtual-server HTTP-VS01 10.1.1.100
 A10LB0X(config-slb vserver)# vrid 1
 A10LB0X(config-slb vserver)# port 80 tcp
 A10LB0X(config-slb vserver)# ha-conn-mirror
 
 
 HAの場合、Active機のみが動作を行います。VRRP-Aの場合、Active機に着信したパケットはActive機で
 処理されますが、Standby機に着信した場合はStandby機でも処理されます。当然、ARPの動作からして
 Active機にパケット転送されることから、通常は本内容について気にする必要はありません。
 
 
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