◆ BIG-IP - Virtual Serverの位置づけと役割
ここではVirtual Serverについて詳細に解説します。その前にVirtual Server、Pool、Nodeの関係と
それぞれがどのような役割を担っているのかを理解しましょう。
設定順序は Node作成 ⇒ Pool作成 ⇒ Virtual Server作成が本来あるべき流れなのですが、一般的に
BIG-IP - Pool / Virtual Serverの設定解説どおり、Pool作成時にNodeも同時に作成するので作成順は
Pool作成 ⇒ Virtual Server作成という流れで設定します。※ Virtual Serverから作成する人もいます。
◆ BIG-IP - Virtual ServerのType
Virtual Serverは以下の4つのTypeがあります。通常はデフォルト値であるStandardを指定しますが
Typeを変更することによって、より適切な処理(効率的な処理)をBIG-IPで実現することができます。
Type |
設定値 |
使用するケース |
Standard |
Standard |
デフォルト値。以下のケースに該当しない場合はこの値で負荷分散を行う。 |
Forwarding |
Forwarding(Layer2) |
Layer2ブリッジングの処理時に使用する値。 |
Forwarding(IP) |
クライアント⇔サーバ間の通信でダイレクトアクセスを行う際に使用する値。※1。 |
Performance |
Performance(HTTP) |
HTTPプロトコルの負荷分散に特化した高速処理の際に使用する値。 |
Performance(Layer4) |
Layer4 ロードバランスに特化した高速処理の際に使用する値。※2。 |
Reject |
Reject |
このVirtual Serverに着信したいパケットをRejectする際に使用する値。 |
※1 Performance(IP)の場合、サーバの宛先ネットワークを直接指定するためこのVirtual Serverに対するPoolのひも付けはなし。
※2 「1対1 SLB」または「1対N SLB」においてアドレス変換だけ行いたい場合でも、Performance(Layer 4)を選択しましょう。
その際にService Portは「All Ports」を指定して、Protocolは「All Protocols」を指定するようにします。LC等でよくある実装です。
◆ BIG-IP - Pool の種類
Poolは複数のサーバをPoolメンバーとして構成することが一般的ですが、複数のルータをPoolメンバーと
して構成することも可能です。LCやGTMなどを導入している環境で、Outbound通信でネクストホップを
冗長化する際にVirtual Serverで複数のルータをPoolメンバーとして定義したPoolを関連づけることが多い。
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