◆ BIG-IP - Monitor
モニターとは、Poolメンバーが正常にサービスを提供できる状態なのかを、BIG-IP ⇔ Poolメンバー間で
チェックする機能です。モニターのチェックに失敗した(応答しない)Poolメンバーには、BIG-IPからトラ
フィックを停止します。他の正常なPoolメンバーとは通信を継続するので障害時でもサービス提供できます。
◆ BIG-IP - Monitor の種類
MonitorにはActive MonitorとPassive Monitorの2種類があります。一般的にActive Monitorを使用します。
Monitorの種類 |
説明 |
Active Monitor |
BIG-IPデバイスからPoolメンバーまたはノードにリクエストを送信し、その応答状況に応じて死活監視 |
Passive Monitor |
BIG-IPに着信してきたクライアントからのコネクションがPoolメンバーに割り振られ、正常な通信が
行われている場合は正常(UP)として、クライアント ⇔ サーバ間の通信が成立しない場合は障害発生
とみなしDown状態に遷移させる。なお、初期状態はPoolメンバーの状態は正常(UP)となっている。 |
◆ BIG-IP - Active Monitorのタイプ
Active Monitorには大きく以下の4つのタイプがあります。要件に応じて適切なモニターを選択しましょう。
Active Monitorタイプ |
BIG-IPデバイスからのアクション |
監視
レイヤー |
プロトコル
使用例 |
Address Check |
Poolメンバーに、IPパケットを送信してサーバの状態を確認。
応答がない場合にPoolメンバーは利用不可とみなされる。 |
Layer 3 |
ICMP |
Service Check |
Poolメンバーに、TCPコネクションのオープン/クローズを行うことで
サーバの状態を確認。コネクションが失敗するとそのPoolメンバーは
利用不可とみなされる。 |
Layer 4 |
TCP |
Content Check |
PoolメンバーにTCPコネクションをオープンし、データ取得する事で
(HTTP Getなどをすることで)サーバの状態を確認。コネクションの
失敗またはレスポンスが失敗した場合、そのPoolメンバーは利用不可。 |
Layer 7 |
HTTP |
Interactive Check |
PoolメンバーにTCPコネクションをオープンして、コマンドの送信と
レスポンスの受信などを行い、実際にプロトコルで行われるやりとり
を行うことでサーバの状態を確認。これらの L7 かつ複数の相互確認
のコマンドのやりとりが失敗した場合、そのPoolメンバーは利用不可。
|
Layer 7 |
FTP |
◆ BIG-IP - カスタムモニターの設定
モニターは標準的に使用できるモニターがいくつかデフォルトで用意されています。標準モニターは
「Local Traffic」⇒「Monitors」で確認できます。標準モニター設定を編集することも可能ですが、
テンプレート編集は推奨されていないため、カスタムモニターを作成するために「Create」を押します。
例えば、以下画面はParent Monitor(基準にするデフォルトのProfile)に「http」を選択した場合の設定。
設定項目 |
説明 |
Interval |
BIG-IPからのMonitorパケットの送信間隔。 |
Timeout |
BIG-IPがサーバダウン(障害)とみなす時間。 ※ 推奨値: Interval × 3 + 1 |
Send String |
BIG-IPからの特定のコンテンツの要求。 |
Receive String |
BIG-IPがサーバ(Poolメンバー)から受信した情報に、どのような情報が含まれていれば
サーバを正常(UP)と見なすのかを指定。(空白の場合はどのような情報でもMatchする) |
Receive Disable String |
BIG-IPがサーバ(Poolメンバー)から受信した情報に、どのような情報が含まれていれば
サーバを障害(down)と見なすのかを指定。(空白の場合はどのような情報でもMatchする) |
User Name |
認証時に使用されるユーザ名 |
Password |
認証時に使用されるパスワード |
Reverse |
判定基準を逆にするかどうか |
Transparent |
リンクモニターの際に使用 ( パスが有効な場合はPoolメンバーをUP ) |
Alias Address |
モニター対象のアドレス ( * All addresses = NodeのIPアドレス ) - Advanced 表示項目。 |
Alias Service Port |
モニター対象のポート ( * All Service Port = Poolメンバのポート番号 ) - Advanced 表示項目。 |
以下は、Parent Monitorを「gateway_icmp」にした場合の設定画面です。
◆ BIG-IP - モニターの適用方法
モニターの適用対象は「PoolメンバとNode」であり、BIG-IPのモニターの適用方法は以下の2つがあります。
Pool MonitorとNode Monitorを組み合わせて使用することも可。Node MonitorはノードなのでICMPを使用。
※ Pool Monitorでサービスを監視し、Node MonitorでICMPによるノードを監視する組み合わせが推奨設定。
Monitorの適用方法 |
説明 |
Pool Monitor |
Pool内の全てのPoolメンバーを対象としたMonitorのアサインが可能。
Pool内のそれぞれのPoolメンバーに、個別のMonitorのアサインが可能
|
設定値 |
説明 |
None |
モニターを適用しない |
Inherit From Pool |
Poolに適用されたモニターを継承する (デフォルト値) |
Member Specific |
Poolメンバーごとにモニターを適用する |
Node Monitor |
全てのノードを対象としたDefault Monitorのアサインが可能。
それぞれのノードに対して、個別のMonitorのアサインが可能。 |
設定値 |
説明 |
None |
モニターを適用しない |
Node Default |
ノードに共通のDefault Monitor(※1)を適用する(デフォルト値) |
Node Specific |
ノードごとのモニターを適用する |
※1 Default MonitorではどのタイプのMonitorも「Active」項目に入っていないため、実質的にNodeをモニターしていない状態。
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