◆ BIG-IP : コネクションミラーリング
コネクションミラーリングとは、Active機からStandby機へコネクション情報を同期する機能です。
コネクションミラーリングを実装することで、障害発生などでActive機からStandby機に切り替わり
が発生しても、クライアント⇔サーバ間のコネクションが接続されることなく、サービスを継続する
ことができます。BIG-IPでコネクションミラーリングを行う場合、特に以下の2点に注意しましょう。
1. 3台以上のHA構成では、コネクションミラーリングはサポートされていません。
2. コネクションミラーリングはCPU負荷が高いので必要なバーチャルサーバにだけ適用しましょう。
また、FastL4 Profileを使用する場合と使用しない場合では、以下の動作が異なるので認識しましょう。
FastL4 Profile |
設定 |
説明 |
使用 |
Performance L4 Virtual Server |
Active機とStandby機とで1秒間に数回
定期的にコネクション情報を同期する。 |
未使用 |
Standard Virtual Server |
受信パケットをActive機はStandby機へ即座に
コピーして、コネクションテーブルへ書込みする。 |
設定はVirtual Serverの項目でAdvancedに切り替えて以下の項目にチェックします。HTTPについては
short sessionであることからコネクションミラーリングを行うと、BIG-IPの負荷が高まるのでご注意!
本設定はDevice ConnectivityのMirroring ConfigurationでMirror Addressが指定されている事が前提。
|
|
◆ BIG-IP : パーシステンスミラーリング
パーシステンスミラーリングとは、Active機からStandby機へパーシステンス情報を同期する機能です。
パーシステンスミラーリングを実装することで、障害発生などでActive機からStandby機に切り替わり
が発生してもクライアント⇔サーバ間のアプリケーションセッションが継続され、TCPコネクションの
再接続においても、同一サーバへと接続されます。ミラー対象となるパーシステンス機能は以下の通り。
・ 送信先IPアドレス
・ Cookieなどのハッシュ値(任意のフィールドをキーとしてハッシュ化)※1
・ Microsoftリモートデスクトップ
・ SIP(Call-IDなど、任意のSIPヘッダ)
・ 送信元IPアドレス
・ SSLセッションID
・ Universal(任意のフィールドをキーとして使用)
※1 Cookie Insert/Passive/Rewriteモードについてはミラー不要
パーシステンスをミラーリングしたい場合は、使用するパーシステンスの項目に Mirror Persistense
にチェックをします。以下はSource Address Persistenseでパーシステンスをミラーする設定例です。
あとは、このPersistenceをバーチャルサーバに適用するだけとなります。
◆ BIG-IP : ステートフルフェイルオーバー
◇ 通常のフェイルオーバーの動作
1. 新規のコネクションが新しいActive機で処理される。
2. 既存のコネクションとパーシステンス情報は失われる。
◇ ステートフルフェイルオーバー
1. 新規のコネクションを新しいActive機で処理される。
2. 既存のコネクションが維持されて引き続いてActive機で処理される。(Connection Mirroringの設定時)
3. 既存のパーシステンス情報が新しいActive機で引き続き保持される。(Persistence Mirroringの設定時)
|