◆ JUNOSのルーティングテーブル
JUNOSのルーティングテーブルは、ルーティングプロトコル、スタティックルート、Directly connected
ルートなどのルーティング情報源から構成されます。そのルーティングテーブルを基にフォワーディング
テーブルが構成されます。フォワーディングテーブルはCisco IOSでいうCEFテーブルとほぼ同じイメージ。
◆ The forwarding table determines the outgoing interface and L2 rewrite
information for each packet forwarded by SRX.
JUNOSのルーティングテーブルは以下のプロトコルごとにルーティングテーブルを保持しています。例えば
ルーティングテーブル上の「inet.0」はIPv4ルート用のルーティングテーブルを示しています。そして、
ルーティングテーブル上の「inet6.0」はIPv6ルート用のルーティングテーブルを示しています。詳細は以下。
種別 |
説明 |
inet.0 |
IPv4ユニキャストルーティングテーブル |
inet.1 |
マルチキャスト用のフォワーディングキャッシュ |
inet.2 |
RPFチェック用のMBGPルーティングテーブル |
inet.3 |
MPLSパス情報 |
inet.4 |
MSDPルートエントリー |
inet6.0 |
IPv6ユニキャストルーティングテーブル |
mpls.0 |
MPLSのネクストホップ |
※ Devices running the Junos OS can accommodate multiple routeing table.
◆ JUNOSのベストルートの選択基準
JUNOSのベストルートの選択基準は以下のとおりです。つまり、Cisco IOSと同じ動作となります。
1. ロンゲストマッチ
2. ルートプレファレンス(Administrative Distance)
3. メトリック
◆ JUNOSのルートプレファレンスとは
1台のルータにスタティックルート、ダイナミックルートを混在させることができます。また、1台のルータに
複数のルーティングプロトコルを設定することができます。しかし、ルーティングプロトコルの間で互換性が
あるわけではないので、JUNOSではルートプレファレンスという値によって優先順位を定義しています。低い
値ほど優先度が高くなります。なお、他メーカーの機器とは以下のルートプレファレンスの値は異なります。
ルート情報 |
デフォルトのルートプレファレンス値 |
Directly Connected |
0 |
Local |
0 |
Static |
5 |
RSVP-signaled LSPs |
7 |
LDP-signaled LSPps |
9 |
OSPF internal |
10 |
IS-IS Level 1 internal |
15 |
IS-IS Level 2 internal |
18 |
Redirects |
30 |
Router discovery |
55 |
RIP |
100 |
RIPng |
100 |
DVMRP |
110 |
Aggregate |
130 |
OSPF AS external |
150 |
IS-IS Level 1 external |
160 |
IS-IS Level 2 external |
165 |
BGP (internal and external) |
170 |
MSDP |
175 |
以下のSRX100のルーティングテーブルでは
192.168.2.0/24の宛先ネットワークに対して
スタティックルートによる経路情報とOSPFの
経路情報の2つが表示されています。
Cisco IOSの場合は、AD値が低い値の方だけ
表示されますが、JUNOSの場合はこのように
表示上はローカルプレファレンス値に関係なく
全て表示されます。ただしアスタリスク * の
マーキングされたスタティックルートに従って
パケットが転送されることになります。つまり
ネクストホップに 192.168.0.3 を使用します。 |
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もちろん、Forwarding Tableではベストパスだけが表示されます。
ロンゲストマッチ、ルートプレファレンス、メトリックが全て同じ場合はベストパスはランダムに決定。
上記条件でこのランダム(JUNOSの選択基準が非公開)に決定するというのは、JUNOS独自の仕様です。
If equal-cost paths exist for the same dest, the routing protocol daemon
randomly selects one of the available paths.
フォワーディングテーブルを確認すると、宛先ネットワークへのネクストホップは1つだけ表示されます。
ところで、JUNOSでもCisco IOS同様にロードバランスさせてトラフィックを転送させることができます。
設定例は以下の通りです。以下の設定をした場合は、JUNOSのルーティングテーブル上の表示に変更は
ありませんが、フォワーディングテーブルについては以下の通り、2つのパスが登録されることになります。
◆ 設定例 : ロードバランス方式の設定とポリシーの適用
root@SRX100# set policy-options policy-statement LB from route-filter 192.168.2.0/24 exact
root@SRX100# set policy-options policy-statement LB then load-balance per-packet
root@SRX100# set routing-options forwarding-table export LB
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