◆ ディスプレイマネージャとは
ランレベル5で起動すると、ディスプレイマネージャはXサーバを起動して GUI のログイン画面を表示
させます。ログイン認証が成功するとセッションが開始してX Window画面を表示します。なお、GUI
の環境でログインする前提としてランレベル5に設定する必要があるが、それは/etc/inittabファイルで
以下のように initdefault 行を修正する必要があります。
◆ 実行例 : /etc/inittabファイルでランレベルを 5 にする設定
◆ ディスプレイマネージャの種類
ディスプレイマネージャにはいくつのか種類があります。ここではXDM、KDM、GDMの3つを紹介します。
種類 |
配置場所 |
説明 |
XDM |
/etc/X11/xdm |
XDMはX.Orgの標準。XDMは、X Display Managerの略 |
KDM |
/etc/X11/kdm |
KDMはKDEで利用される。KDMは、KDE Display Managerの略 |
GDM |
/etc/X11/gdm |
GDMはGNOMEで利用される。GDMは、Gnome Display Managerの略 |
◇ XDMの詳細
XDMは、X Window Systemデフォルトのディスプレイマネージャ。XDMを使用することでリモートホスト
からもログインできるようになります。リモートのXクライアントとXサーバが通信するためにはXDMの認証
が必要となり、認証プロトコルにはXDMCPが使用されます。なお、XDMには以下の設定ファイルがあります。
設定ファイル名 |
説明 |
xdm-config |
XDMデフォルトの設定ファイル。XDMが利用する設定ファイルのパスやアクセス許可を設定 |
Xaccess |
XDMへ接続を許可するホストの設定 |
Xresources |
ログイン画面などのXリソースの設定 |
Xservers |
Xサーバとディスプレイ対応などの設定 |
Xsetup_0 |
XDM起動時の処理設定。壁紙などのログイン前の定義 |
Xsession |
XDM起動後の処理設定。ログイン後の起動プログラムの定義 |
◇ Xの起動に関連する設定ファイル&ディレクトリ
ファイル名 |
説明 |
/etc/X11/xorg.conf |
X.Orgの基本設定ファイル
|
/etc/X11/xinit/Xclients |
ウィンドウマネージャの起動
|
startxで起動する場合のファイル |
説明 |
/etc/X11/xinit/xinitrc |
startxやxinitコマンドで読み込まれるスクリプト
⇒ ~/.Xresourcesファイル、~/.Xclientsファイルが呼び出される
⇒ /etc/X11/xinit/xinitrc.d/ディレクトリ以下のファイルが呼び出される |
~/.xinitrc |
ユーザごとのxinitrcスクリプト
|
XDMで起動する場合のファイル |
説明 |
/etc/X11/xdm/Xsession |
ウィンドウマネージャの起動
⇒ /etc/X11/xinit/xinitrc.d/ディレクトリ配下のファイルが呼び出される
|
/etc/X11/xdm/Xresources |
ログイン画面の表示やXクライアントの設定
⇒ xinitrc(または~/.xinitrc)やXsession(または~/xsession)で読み込まれる
|
~/.xsession |
ユーザごとのXsessionスクリプト
|
~/.Xresources |
ユーザごとのXクライアントの設定
⇒ xinitrc(または~/.xinitrc)やXsession(または~/xsession)で読み込まれる
|
◆ ウィンドウマネージャ
ディスプレイマネージャは、ユーザにユーザ名とパスワード入力可能なログイン画面を提示します。そして、
ウィンドウマネージャはWindow System Xの外観を制御するべく、ウィンドウの外観、アイコン、メニュー
などを提供しユーザが設定できるようになっています。以下に代表的なウィンドウマネジャーを紹介します。
ウィンドウマネージャ |
説明 |
Metacity |
Gnome標準のウィンドウマネージャ |
Kwin |
KDE標準のウィンドウマネージャ |
twm |
必要最低限の機能だけを備えたウィンドウマネージャ |
fvwm |
仮想デスクトップ機能を備えたウィンドウマネージャ |
enlightment |
高機能でグラフィカルなウィンドウマネージャ |
現在、ウィンドウマネージャだけでなくアプリケーションまで含めて統一的な操作を提供するソフトウェア
(統合デスクトップ環境)が主流になってきています。代表的なものに、GNOME と KDE などがあります。
|