◆ CUPSとは
多くのLinuxディストリビューションでのプリンタ印刷には、CUPS(Common Unix Printing System)
というシステムが採用されています。CUPSの主な特徴は以下の通りです。
CUPSの特徴 |
説明 |
IPPの採用 |
ネットワーク上のプリンタをサポートする印刷プロトコルとしてIPPを採用 |
PPDファイルのサポート |
AdobeのPPD形式ファイル(テキスト)でデバイスドライバの設定が可能 |
Web画面での設定 |
Webブラウザで設定が可能 |
プリンタクラスのサポート |
複数のプリンタを1台に見せかける機能をサポート |
CUPSの情報は、/etc/cups ディレクトリに格納されています。CUPSの設定ファイルはこのディレクトリ
に格納されている /etc/cups/cupsd.conf となります。CUPSの設定方法は2つあり、1つは設定ファイルを
直接編集する方法ともう1つはWebブラウザでCUPSの設定ページにアクセスして編集する方法となります。
◆ 設定例 : /etc/cups/cupsd.conf の直接編集 - ローカルプリンタとして使用する場合の設定
< Location />
Order Deny, Allow
Deny From All
Allow From 127.0.0.1
< / Location>
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◆ 設定例 : /etc/cups/cupsd.conf の直接編集 - NWプリンタとして使用する場合の設定(192.168.10.0/24からの許可)
< Location />
Order Deny, Allow
Deny From All
Allow From 127.0.0.1
Allow From 192.168.10.*
< / Location>
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CUPSを使用した印刷処理のフローは以下の通りです。
CUPSサービスは、以下のコマンドにより起動できます。
CUPSサービスが動作しているかはnetstatコマンドでippサービス(tcp:631)がLISTENで確認できます。
# netstat -at
Active Internet connections (servers and established)
Proto Recv-Q Send-Q Local Address Foreign Address State
tcp 0 0 *:ssh *:* LISTEN
tcp 0 0 localhost:ipp *:* LISTEN
tcp 0 0 localhost:smtp *:* LISTEN
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◆ 印刷関連のコマンド ( レガシーなコマンドを紹介 )
プリンタへの印刷は、アプリケーションからGUIで行うだけでなく lpr コマンドでも実行することが
できます。lprコマンドにより、指定したファイルや標準入力をプリントキューに送ることができます。
◆ 構文 : lpr オプション ファイル名
オプション |
説明 |
-# 部数 |
印刷部数を指定 |
-P プリンタ名 |
指定したプリンタに出力 |
◆ 実行例 : テキストファイルの testdata.txt を6部印刷
プリンタキューに登録されている印刷ジョブを確認するためには lpq コマンドを使用します。
◆ 構文 : lpq オプション ユーザー名 ジョブ番号
オプション |
説明 |
-a |
全てのプリンタの情報を表示 |
-P プリンタ名 |
指定したプリンタの情報を表示 |
◆ 実行例 : 全てのプリンタの印刷キューを表示
プリンタキューにある印刷ジョブを削除するためには lprm コマンドを使用します。
◆ 構文 : lprm オプション ジョブ番号
オプション |
説明 |
- |
自分の印刷ジョブを全て削除 |
-P プリンタ名 |
指定したプリンタの印刷ジョブを削除 |
◆ 実行例 : 自分の印刷ジョブを全て削除 (プロンプトが $ であることを確認)
◆ 実行例 : 全ユーザーの印刷ジョブをすべて削除 (rootユーザーとして実行した場合)
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