VMware Thick Provisioning - Lazy Zeroed / Eager Zeroed



 ◆ VMware - シックプロビジョニング - Lazy ZeroedとEager Zeroedの違い

 VMwareでは仮想ディスクを作成する際、仮想ディスクをどのディスクプロビジョニングでフォーマット
 するのかを求められます。ディスクプロビジョニングとは、需要を予測してディスク領域やストレージの
 割り当てを準備することです。ディスクプロビジョニングにはシックプロビジョニング(
Lazy Zeroed
 シックプロビジョニング(
Eager Zeroed)、Thin Provisionの3種類があります。違いは次の通りです。


 1. シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)

 仮想ディスク作成時に指定した容量の割り当てをし、仮想ディスク初期化は初回の書き込み時に行います。
 実際にディスクにデータを書きこむ際、ファイルブロックをゼロで初期化してからデータを書き込みます。

 2. シックプロビジョニング(Eager Zeroed)

 仮想ディスク作成時に指定した容量の割り当てをし、仮想ディスク初期化も同時に行います。仮想ディスク
 作成時にファイルブロックをゼロで初期化します。Lazy Zeroedに比べてディスクの作成時間を要しますが
 3つのディスクタイプの中で最も高い書き込み性能です。

 3. Thin Provision

 容量の割り当てと、仮想ディスクの初期化も初回の書き込み時に実行します。ディスクタイプの中では最も
 低い書き込み性能ですが、仮想ディスクの容量の消費を抑えることができます。ストレージの費用対効果の
 観点から適しているプロビジョニングです。


    


 解説した3種類のディスクプロビジョニングには下表のような違いやメリットとデメリットがありますが、
 シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)、(Eager Zeroed)、Thin Provisionの違いを理解できれば、
 例えば仮想FWや仮想LBをデプロイする際に
「Thin Provision」を選択すべきではないことが分かります。

比較項目 Thick Provision Thin Provision
Lazy Zeroed Eager Zeroed
ディスクの割り当て  仮想ディスク作成時 仮想ディスク作成時 初回書き込み時
ディスクの初期化 初回書き込み時 仮想ディスク作成時 初回書き込み時
ディスクの使用量 必要領域を事前確保 必要領域を事前確保 必要に応じて自動拡張
ストレージ使用効率 普通 普通 良い
パフォーマンス


 ◆ どのディスクプロビジョニングを選択するべきか

 仮想環境のディスクの用途により選択する必要がありますが、その環境におけるポリシーなどもあるので、
 シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)にするか(Eager Zeroed)にするのかは、設計者や運用者に
 確認することが大切です。作業資料に指示がない場合には、必ず作業依頼者に確認するようにしましょう。


 参考までに、例えばPalo Alto製品をデプロイする際には、paloaltonetworks.comにおける解説資料では
 
Leave the default settings for the datastore provisioning and click Next. The default is Thick Provision Lazy Zeroed. 」
 という解説があり、シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)を選択することが求められています。


   



 ◆ 参考:VMwareのディスクプロビジョニングの解説

 VMwareで解説されているディスクプロビジョニングの説明文を抜粋して原文のまま以下に紹介します。

 1. シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)

 仮想ディスクをデフォルトのシックフォーマットで作成します。ディスクの作成時に、仮想ディスクに
 必要な容量が割り当てられます。物理デバイスに残っているデータは、作成中には消去されませんが、
 仮想マシンへ初めて書き込みを行うときに必要に応じてゼロアウトされます。仮想マシンが物理デバイス
 から古いデータを読み取ることはありません。

 2. シックプロビジョニング(Eager Zeroed)

 Fault Tolerance などのクラスタリング機能をサポートする、シック仮想ディスクのタイプ。仮想ディスク
 に必要な容量は、作成時に割り当てられます。 シックプロビジョニング (Lazy Zeroed) フォーマットの
 場合とは異なり、物理デバイスに残っているデータは、仮想ディスクの作成時にゼロアウトされます。この
 フォーマットで仮想ディスクを作成する場合、他のタイプのディスクに比べて長い時間がかかることがある。

 3. Thin Provision

 このフォーマットを使用してストレージ容量を節約します。シンディスクの場合、入力した仮想ディスク
 サイズの値に応じて、ディスクに必要な容量と同じデータストア容量をプロビジョニングします。ただし、
 シンディスクは最初は小さく、初期処理に必要なデータストア容量のみを使用します。シンディスクで
 さらに多くの容量が必要になったら、最大容量まで拡張して、プロビジョニングされたデータストア容量
 全体を占有できます。



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