SSG - Multi-Cell Policy



 ◆ SSG - マルチセルポリシーとは

 ポリシーを作成する際には、IPアドレス(ネットワークセグメント)を示す
アドレスブックを作成します。
 次に、アドレスブックを束ねたい場合(複数のネットワークセグメントを束ねたい場合)
アドレスグループ
 を作成します。最後に、このアドレスブックまたはアドレスグループを使用して
ポリシーを作成すればOK。

 以上が一般的なポリシー作成ですが、
マルチセルポリシーではポリシー上で複数のアドレスブックを指定
 したり、複数のアドレスグループを指定することができます。結果として、マルチセルポリシーでは複数の
 アドレスブックを束ねる役割や、複数のアドレスグループを束ねる役割と同じ位置付けになるとも言えます。

 マルチセルポリシーには大きく以下の3種類があります。
 @ 
Multiple for Source Address ( 送信元アドレスを束ねるポリシー )
 A 
Multiple for Destination Address ( 宛先アドレスを束ねるポリシー )
 B 
Multiple for Service (サービス(ポート番号)を束ねるポリシー )



 ◆ SSG - マルチセルポリシー ( Multiple for Source Address )

 先ず、アドレスブックを作成します。

 
◆ 設定例 : TESTゾーンで使用するための「192.168.1.0/24 を示す AANW」「192.168.2.0/24 を示す BBNW」を作成

 
SSG-> set address TEST AANW 192.168.1.0 255.255.255.0
 SSG-> set address TEST BBNW 192.168.2.0 255.255.255.0


 次に、アドレスブックを使用してポリシーを作成しますが、ポリシーで複数のアドレスブックを指定します。
 なお、下記設定ではアドレスブックを束ねていますが、アドレスグループを束ねて定義することも可能です。


 
◆ 設定例 : TESTゾーンからUntrustゾーンへ、送信元アドレスの「AANW」と「BBNW」の通信を許可

 
SSG-> set policy id 1 from TEST to Untrust AANW Any ANY permit

 SSG-> set policy id 1
 SSG(policy:1)-> set src-address BBNW


 以上がマルチセルポリシーの設定ですが、上記設定は以下設定と同じ結果が得られることになります。


 
SSG-> set group address TEST TESTNW add AANW
 SSG-> set group address TEST TESTNW add BBNW

 SSG(policy:1)-> set policy id 1 from TEST to Untrust TESTNW Any ANY permit



 ◆ SSG - マルチセルポリシー ( Multple for Destination Address )

 Multiple for Source AddressとMultiple for Destination Addressの違いは「送信元か宛先」かだけです。

 先ず、アドレスブックを作成します。

 
◆ 設定例 : Untrustゾーンで使用するための「10.1.1.0/24 を示す XXNW」「10.1.2.0/24 を示す YYNW」を作成

 
SSG-> set address Untrust XXNW 10.1.1.0 255.255.255.0
 SSG-> set address Untrust YYNW 10.1.2.0 255.255.255.0


 次に、アドレスブックを使用してポリシーを作成しますが、ポリシーで複数のアドレスブックを指定します。
 なお、下記設定ではアドレスブックを束ねていますが、アドレスグループを束ねて定義することも可能です。

 
◆ 設定例 : TESTゾーンからUntrustゾーンへ、送信元アドレス「AANW」から宛先アドレス「XXNW」と「YYNW」への通信許可

 
SSG-> set policy id 1 from TEST to Untrust AANW XXNW ANY permit

 SSG-> set policy id 1
 SSG(policy:1)-> set dst-address YYNW


 同じ結果が得られる設定は以下の通りです。


 
SSG-> set group address UntrustNW UntrustNW add XXNW
 SSG-> set group address UntrustNW UntrustNW add YYNW

 SSG(policy:1)-> set policy id 1 from TEST1 to Untrust AANW UntrustNW ANY permit




 ◆ SSG - マルチセルポリシー ( Multple for Service )

 先ず、カスタムサービスを設定します。※ Pre-defined Serviceを使用する場合は設定は不要です。
 次に、ポリシー上でset serviceコマンドを使用して複数のサービスを束ねていきます。以下の例では、
 SALES(192.168.1.0/24)のクライアントPCが DNS、FTP、HTTP、HTTPS、mail、PING などの
 サービスを利用してインターネットに通信するための設定となります。


 
SSG-> set policy id 1 from TEST1 to Untrust SALES any DNS permit
 SSG-> set policy id 1
 SSG(policy:1)-> set service FTP
 
SSG(policy:1)-> set service HTTP
 SSG(policy:1)-> set service HTTPS
 
SSG(policy:1)-> set service MAIL
 SSG(policy:1)-> set service POP3
 SSG(policy:1)-> set service PING
 
SSG(policy:1)-> exit


 同じ結果が得られる設定は以下の通りです。


 
SSG-> set group service INTERNET add DNS
 SSG-> set group service INTERNET add FTP
 SSG-> set group service INTERNET add HTTP
 SSG-> set group service INTERNET add HTTPS
 SSG-> set group service INTERNET add MAIL
 SSG-> set group service INTERNET add POP3
 SSG-> set group service INTERNET add PING

 SSG-> set policy id 1 from TEST1 to Untrust SALES any INTERNET permit


 以上の通り、アドレスグループやサービスグループとマルチセルポリシーとの違いはほとんどなく、
 管理性の問題と言えます。CLIのコンフィグをよりシンプルにするためにはマルチセルポリシーより
 アドレスグループやサービスグループを使用した方がよりスッキリとします。

 また、HTTPとHTTPSはセットでサービス指定することが多いので、これらはマルチセルポリシーより
 サービスグループとして定義しておくことで、設定がよりシンプルとなります。



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