◆ NEXT_HOP( タイプコード 3:Well-known mandatory )
NEXT_HOPは、文字通り、宛先ネットワークへのネクストホップのIPアドレスを示すアトリビュートです。
ただし、IGPの考え方とは異なる点があり、ASに到達するためのIPアドレスがネクストホップとなります。
つまり、EBGPピアにアドバタイズする時は、NEXT_HOPアトリビュートを自分のIPアドレスにして送信し
ますが、IBGPピアにアドバタイズする時は、NEXT_HOPアトリビュートを変更せずにルートを送信します。
なお、R1の場合はネクストホップのIPアドレスが直接接続リンクの「 1.1.1.1 」であることから、問題なく
ネクストホップのIPアドレスが到達可能なIPアドレスですが、R2の場合は「 1.1.1.1 」は直接接続リンクで
はないことから、R2は「1.1.1.0/24」の宛先ルートがルーティングテーブルに存在している必要があります。
R2が「1.1.1.0/24」のネットワークを知らない場合は「50.0.0.0/16」宛てのパケットはR2で破棄されます。
◆ AS内のルートのNEXT_HOPアトリビュート
AS内で発生したルートを、AS内でアドバタイズする時は、IGPのネクストホップと同じ考え方となります。
AS内で発生したルートを、AS内でアドバタイズする時は、NEXT_HOPアトリビュートは自分のIPアドレス
にして送信します。
◆ マルチアクセスネットワークのNEXT_HOPアトリビュート
マルチアクセスネットワークでは、下図のような構成の場合、EBGPピアにルートをアドバタイズする時に
NEXT_HOPアトリビュートは変更されません。通常、EBGPピアにルートをアドバタイズする場合、自分の
IPアドレスにNEXT_HOPアトリビュートを変更して通知しますが、マルチアクセスネットワークでは下図の
動作となり、NEXT_HOPは変更されません。その結果、R2への無駄な経由がなく効率的な通信ができます。
1. R1が「50.0.0.0/16」をIBGPピアのR2へアドバタイズする時、ネクストホップを「1.1.1.1」とする。
2. R2が「50.0.0.0/16」をEBGPピアのR3へアドバタイズする時、同じマルチアクセスネットワークで
あることから、ネクストホップを「1.1.1.1」のまま変更せずに送る。
3. R3が「50.0.0.0/16」宛てにパケットを送信する場合、R2を経由せずにR1へ直接パケットを送信する。
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