◆ IBGPフルメッシュ化の問題の解決策 - BGPコンフェデレーションとは
IBGPピアのセッション数を低減させる手法には、ルートリフレクタ以外にBGPコンフェデレーションが
あります。BGPコンフェデレーションでは、1つのASを複数のサブASに分割して、グループ全体に1つの
コンフェデレーション識別子を割り当てます。サブAS内ではIBGPのフルメッシュ化が必要となりますが
サブAS間ではEBGPピアで接続できるため、IBGPピアのセッション数を低減させることができます。
BGPコンフェデレーションでは、NEXT_HOP、MED、LOCAL_PREFなどの情報がIBGPを使用する場合と
同様に保持されるため、外部のASからみると1つのASとして見えます。つまり、通常のIBGPを使用する
場合と同じようにルーティング情報が交換されます。なお、サブASで使用するAS番号はプライベートAS
を一般的に使用します。
◆ BGPコンフェデレーションの設定
BGPコンフェデレーションの設定では、各BGPルータで、3種類のAS番号を指定する必要があります。
◆ BGPコンフェデレーションの設定
(config)# router bgp as-number1
(config-router)# bgp confederation identifier as-number2
(config-router)# bgp confederation peers as-number3
コマンド引数 |
説明 |
as-number1 |
自身が所属するBGPのサブAS番号
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as-number2 |
自身が所属する本来のBGPのAS番号 |
as-number3 |
BGPコンフェデレーション内部でピアリングするAS番号 |
下図ではAS10でBGPコンフェデレーションを適用しています。サブASとして「 65001と65002 」に分割
しています。AS65001内部とAS65002内部ではIBGPフルメッシュが必要となります。このサブAS内部で
ルートリフレクタを使用することも可能です。サブASの全てのBGPルータで bgp confederation identifier
の設定は必要ですが、bgp confederation peersの設定はサブAS間を接続するEBGPルータだけで必要です。
R1(config)# router bgp 65001
R1(config-router)# bgp confederation identifier 10
R1(config-router)# bgp confederation peers 65002
R1(config-router)# neighbor 10.2.1.2 remote-as 65001
R1(config-router)# neighbor 10.1.1.2 remote-as 65002
R1(config-router)# neighbor 1.1.1.2 remote-as 20
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R2(config)# router bgp 20
R2(config-router)# neighbor 1.1.1.1 remote-as 10
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BGPコンフェデレーションでは、AS_PATHの見え方が通常と異なります。上図のR5において、AS20から
サブAS65001経由で通知されたBGPルートのAS_PATHアトリビュート値を見ると「(65001)20 」と
表示されて、BGPコンフェデレーション内のAS_PATHが( )で囲まれて表示されます。
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