◆ BGPルート集約 - aggregate-addressコマンド
BGPルートは、aggregate-addressコマンドによりルート集約が行えます。aggregate-addressコマンドに
よる集約ルートには、通常のBGPルートに付加されるアトリビュートに加えて、以下の2つも付加されます。
集約ルートに付加される属性 |
説明 |
タイプコード 6 : ATOMIC_AGGREGATOR |
ネイバーASにBGPルータがルート集約を行ったことを通知 |
タイプコード 7 : AGGREGATOR |
ネイバーASにルート集約を実施したBGPルータのルータIDとAS番号を通知 |
aggregate-addressコマンドによるルート集約の前提は、aggregate-addressコマンドを実行するルータの
BGPテーブルに集約前のルートが少なくとも1つは存在することです。例えば「192.168.0.0/16」と集約する
場合、そのルータのBGPテーブルに「192.168.1.0/24」などのルート情報の断片が存在する必要があります。
◆ BGPルート集約(aggregate-address)の設定
(config)# router bgp as-number
(config-router)# aggregate-address address mask [ as-set ] [ as-confed-set ] [ summary-only ]
[ advertise-map name ] [ attribute-map name ] [ supress-map name ]
コマンド引数 |
説明 |
address |
集約ルートのネットワークアドレスの指定。 |
mask |
集約ルートのサブネットマスクの指定。 |
as-set |
デフォルトでは、集約ルートを生成したルータのAS番号のみがASパス情報に表示される。
集約ルートだけでなく、集約前ルートのAS番号もASパス情報に含めたい場合に指定 |
as-confed-set |
Generates autonomous confederation set path information.
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summary-only |
デフォルトでは、ルート集約後には集約ルートと集約前ルートの両方がアドバタイズされる。
集約ルートのみをアドバタイズしたい場合に指定。 |
advertise-map |
どの集約前ルートのアトリビュートを集約ルートに継承させるかを route-map で指定。 |
attribute-map |
集約ルートにroute-mapで指定したアトリビュートを設定。 |
suppress-map |
集約ルートと集約前ルートをアドバタイズする際に、特定の集約ルートのアドバタイズを
route-mapで指定して抑制できる( 該当ルートは、show ip bgpでは「s」と表示される ) |
◆ BGPルート集約 - aggregate-addressコマンドの設定例
aggregate-addressコマンドにオプションを指定せずにルート集約を行っても、下図のように集約ルートと
集約前ルートもアドバタイズされます。なお、aggregate-addressコマンドで集約ルートを設定したルータ
のルーティングテーブルでは、Null 0 への集約ルートが自動的にインストールされます。
Cisco(config)# router bgp 1
Cisco(config-router)# aggregate-address 1.1.0.0 255.255.0.0
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集約ルートのみをアドバタイズしたい場合は、summary-onlyコマンドを使用します。
Cisco(config)# router bgp 1
Cisco(config-router)# aggregate-address 1.1.0.0 255.255.0.0 summary-only
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上記の設定例の2つでは「1.1.0.0/16」の集約ルートのASパスの情報に、集約前ルートのASパスの情報は
含まれていません。as-set オプションを設定することで付加されます。理解しやすいようした下図では、
集約ルートのみをアドバタイズするものの、集約前ルートのASパス情報を付加しアドバタイズしています。
Cisco(config)# router bgp 30
Cisco(config-router)# aggregate-address 50.1.0.0 255.255.0.0 as-set summary-only
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集約前ルートのASパス情報は { } でくくられて表示されます。集約前ルートのAS番号が同じ場合 { } でくくられて表示されません。
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