◆ COMMUNITY( タイプコード 8:Optional transitive )
COMMUNITYアトリビュートは、BGPベストパス選択のアルゴリズムには関係のないアトリビュートです。
COMMUNITYアトリビュートはBGPルートに対してタグ付けすることができるので、タグ情報に基づいて
ルートをグループ化してフィルタリングすることもできます。また、COMMUNITYアトリビュートはASを
越えて伝達されるため、この属性を利用して制御する場合はAS相互でポリシーを合わせる必要があります。
COMMUNITY値は32ビットの数値であり、以下のいずれかのパターンでCOMMUNITYアトリビュートを
扱えます。2 の形式で扱いたい場合、ip bgp-commnity new-formatコマンドで設定する必要があります。
1. 32ビットの任意の整数
2. AS番号(16ビット)+ 識別子(16ビット)
3. 32ビットのWell-knownコミュニティ値
COMMUNITYアトリビュートによりグループ化したルート情報をフィルタリングしたり、LOCAL_PREF値
やMED値などを再定義させることができます。3 のWell-knownコミュニティを使用した場合、その値に
基づくだけで、自動的にルートフィルタリングが可能です。Well-knownコミュニティには以下があります。
Well-knownコミュニティ |
値 |
動作 |
no-export |
0xFFFFFF01 |
EBGPネイバーに対して、ルート情報を送信しない |
no-advertise |
0xFFFFFF02 |
IBGPネイバー、EBGPネイバーに対して、ルート情報を送信しない |
local-as |
0xFFFFFF03 |
BGPコンフェデレーションで、異なるサブASにルート情報を送信しない |
上図の通り、COMMUNITYを付加するBGPルータと、COMMUNITY情報に基づいてフィルタリングするBGPルータは異なります。
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