◆ StackWise Plusの設定 - スタックメンバのプライオリティ
スタックメンバのプライオリティ値は1〜15の範囲で指定できます。デフォルトでプライオリティ値は1。
プライオリティ値は高い値ほどスタックマスターとして選択されます。スタックマスターを15にします。
※ 新しいプライオリティ値の設定はすぐに有効になりますが、現在のスタックマスターには影響せずリセット時などに適用。
◆ スタックメンバのプライオリティの設定
(config)# switch stackmember-number priority priority
コマンド引数 |
説明 |
stackmember-number
/priority |
スタックメンバのプライオリティを1〜15の値で設定する。以下設定例は3台のスタック構成で
スタックメンバ1をプライオリティ15、 スタックメンバ2を14、 スタックメンバ3を13としている。
(config)# switch 1 priority 15
(config)# switch 2 priority 14
(config)# switch 3 priority 13
# reload ← 再起動した際に設定したプライオリティ値に基づいて、スタックマスターが選出。
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※ どのスイッチがどのスタックメンバ番号を持っているのかはshow switchでMACアドレスで確認します。
◆ StackWise Plusの設定 - スタックメンバ番号
スタック内のメンバーはスタックメンバ番号(1〜9)で識別します。このメンバ番号によりスタックメンバが
使用するインターフェースレベルが決定します。例えばスタックメンバ番号2なら int GigabitEthernet2/0/X。
新規スイッチ(スタック番号1)がスタック参加するとスタック内で使用可能な一番小さい番号に変更されます。
※ 従ってスタックメンバ番号のための設定は不要ですが、現在のスタックメンバ番号から新たな番号に変更したい場合に使用します。
◆ スタックメンバ番号の再割り当て
(config)# switch current-number renumber new-number
コマンド引数 |
説明 |
current-number/
new-number |
現在のスタックメンバ番号(currnet-number)を、新たなスタックメンバ番号(new-number)に
変更するためのコマンド。例えば、現在のメンバ番号(2)を新しく(3)にしたい場合の設定は以下。
(config)# switch 2 renumber 3
# reload slot 2 ← 設定変更後に該当するスタック番号を再起動する必要がある。
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◆ StackWise Plusの設定 - スタックで使用するMACアドレスの設定 ( 重要 )
スイッチスタックのMACアドレスはスタックマスターのMACアドレスで決まります。スタックマスターが障害
でスタックから削除されて、新しいスイッチにスタックマスターに引き継がれた場合、デフォルトでは、新しい
スタックマスターのMACアドレスが直ちに新しいスタックのMACアドレスとります。但しスタックMACアドレス
を変更する前の時間遅延を設定できます。この期間に、以前のスタックマスターがスタックに復帰した場合には
スイッチがスタックマスタでなくてもスタックはそのMACアドレスをスタックMACアドレスとして使用します。
◆ 永続的MACアドレス
(config)# stack-mac persistent timer [ time-value | 0 ]
コマンド引数 |
説明 |
time-value |
スタックマスターの変更後、スタックMACアドレスが新しいスタックマスターのMACアドレスに
変更されるまでの遅延時間を定義する。stack-mac persitent timerによってイネーブルにした
場合のデフォルト値は4分。それを5分に変更する場合の設定例は以下となる。
(config)# stack-mac persistent timer 5
|
0 |
timerを"0"にすることにより、スタックが新しいスタックマスターのMACアドレスに切り替わらない
ように、スタックMACの持続性を維持できます。接続する構成によっては、この設定をしたほうが
障害発生時の収束時間が速くなる。ネットワーク構成に関係なく、経験上、当方はこの設定を推奨。
(config)# stack-mac persistent timer 0 |
◆ StackWise Plusの設定 - スタックのオフライン設定
オフライン設定機能を使用すると、新しいスイッチがスタックに参加する前に設定を割り当てることができます。
現在、スタックに属していないスイッチの「スタックメンバ番号、スイッチタイプ、インターフェース」を事前に
設定できるので、既存スタックに新しいスイッチを属させる時に何も設定することなくスタックに組み込めます。
◆ スタックのオフライン設定
(config)# switch stack-number provision type
コマンド引数 |
説明 |
stack-number |
現在存在しないが、新しく追加予定のスタックメンバ番号を定義する。
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type |
新しく追加予定のスイッチのモデルを指定する。どの機種がサポートされているのかは、provisionの
コマンドの後に、コマンドライン上で"?"を入力すれば確認できる。以下の設定は今後追加予定の
スタックメンバ番号3を指定して、そのスイッチモデルに"ws-c3750x-24"を指定した場合の設定例。
(config)# switch 3 provision ws-c3750x-24
この設定をすると例えば、int GigabitEthernet 3/0/X のインタフェースが自動的に生成される。
生成されたI/Fに設定を行うと"no access-session template"となるが、スタック時に自動的に消える。
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Cisco製品のL3スイッチで冗長化する場合、HSRP
プロトコルを使用するのではなく、スタック技術
を使用して冗長化させる構成例が非常に多いです。
当方もスタック技術での冗長化を推奨しています。
※Cat6500の場合はVSSにより冗長化を行います。
理由としては大きく3つあります。スタック技術で
冗長化したL3スイッチに接続する配下のL2スイッチ
とは、EtherChannelなどのリンクアグリゲーション
で接続させるのが一般的なのですが、この構成は
完全にループフリーでSTPも不要です。そしてこの
構成におけるL2/L3スイッチの障害時の収束時間は
非常に短い。また、2台のL3スイッチの設定ファイル
が1つだけで済むので、設計/構築/運用も楽です。 |
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※ L3スイッチの上位のルータと接続する際に、ロードバランス設計やPBRの要件によりHSRPによる冗長化が必要な場合もあります。
◆ StackWise Plus - ステータス確認コマンド
スタックの確認コマンド |
説明 |
show switch |
スタックメンバ番号、役割、プライオリティ値、スタックMACアドレスの情報を表示。 |
show switch neighbors |
スタックのネイバーを表示。 |
show switch stack-ports summary |
スタックのケーブル長、スタックのリンク ステータス、ループバックステータスを表示。 |
show switch detail |
スタックリングの詳細情報を表示。 |
show platform stack manager all |
スタックプロトコルバージョンなど、すべてのスイッチスタック情報を表示。 |
※ StackWiseとStackWise Plusの違い、スタックマスターとスタックメンバーの違いは スタック - StackWise/StackWise Plus
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