Catalyst Switch - Access / Distribution / Core Layer



 ◆ ネットワークの階層設計:3階層ネットワーク

 企業LANのネットワークには一般的に階層設計が適用されています。役割や機能ごとに層を分けることで
 拡張性、管理性を向上することができます。階層には
アクセス層ディストリビューション層コア層
 3つの層があります。各層のイメージは下図のとおりです。LANの規模により物理、論理構成は異なります。


   



 階層設計におけるアクセス層、ディストリビューション層、コア層のそれぞの役割は以下のとおりです。

階層 説明
アクセス層

 クライアントPCやIP-Phoneなどのユーザのデバイスが接続する層。アクセス層に配置される
 アクセススイッチは一般的にL2スイッチ。アクセス層はディストリビューション層と接続する。

ディストリビューション層

 各フロアのアクセススイッチを束ねて、ポリシーに基づいてトラフィック転送、拒否、および
 ルーティング処理を行う。ディストリビューション層のディストリビューションスイッチには
 一般的にL3スイッチが使用される。この層は必要に応じてコア層にトラフィックを転送する。

コア層

 配下のディストリビューションスイッチを束ね、企業ネットワークのバックボーンとして機能。
 コア層に配置されるコアスイッチは、大容量のトラフィックを高速スイッチングできるNexus
 などの信頼性の高い高機能スイッチを選定する必要がある。大規模な企業LANに適用する階層。



 クライアントPCやIP-Phone等のエンドデバイスではなく、各種サーバを集約したスイッチを収容した層は
 
サーバファームとも呼ばれます。このサーバファームは、3階層における階層設計としてアクセス層に位置
 づけられますが、PCなどが接続されるLayer2スイッチより高機能なLayer2スイッチを一般的に採用します。



 ◆ ネットワークの階層設計:2階層ネットワーク

 階層設計としてアクセス層、ディストリビューション層、コア層の3つがあるとはいえ実際の階層設計では
 これらを混在させるケースが多いです。例えば、以下のようにある企業LANが数百人規模だとした場合は、
 ディストリビューションスイッチが、ディストリビューション層だけでなくコア層の役割も担うのが一般的
 であり、階層設計に基づいて3階層を構成して、各層にスイッチを配置するのは予算の無駄使いと言えます。

 下図のように、2階層で構成した場合、コア層の役割を担うことになるディストリビューション層のことを
 
コラプストコアとも言います。collapsed(崩壊した)core(コア層)です。コア層が崩壊している訳では
 なく、コア層とディストリビューション層が統合された状態を意味します。


   




 ◆ ネットワークの階層設計:3階層ネットワークの応用

 とはいえ、1つのビルに数千人という
大規模な企業LANにおいては3階層で構成することが推奨となります。
 また、実際の企業ネットワークでは、例えば下図のように複雑な階層となっていることが多く、コア層にて
 位置付けの異なる複数のディストリビューションスイッチを束ねるような構成もあります。


   

 紹介した階層設計は1つの例であり、規模や環境に応じて色々な階層化されたネットワーク構成が存在します。



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