errdisable recovery



 ◆ errdisableとは

 Catalystスイッチではソフトウェアがポートのエラー状態を検出した場合、ソフトウェアがそのポートを
 自動的に
ディセーブル状態にします。この状態のことをerrdisable(エラーディセーブル)と言います。
 ポートがerrdisableになると、そのポートではトラフィックは送受信されなくなり、そのポートのLEDは
 オンレジ色になります。show interfaces statusにより該当ポートは「
err-disabled 」と表示されます。



 ◆ errdisableの原因

 Catalystスイッチのポートがerrdisableになる理由は様々であり、以下の原因が考えられます。

 ・ 接続するLANケーブルの不良
 ・ duplexのミスマッチ
 ・ ポートチャネルの設定ミス
 ・ BPDUガード違反
 ・ UDLD(単方向リンク検出)条件
 ・ late collisionの検出
 ・ リンクフラップの検出
 ・ セキュリティ(port security)違反
 ・ PAgPフラップ
 ・ L2TPガード
 ・ DHCPスヌーピングのレート制限
 ・ 不適切な GBIC/SFPモジュールまたはケーブル
 ・ アドレス解決プロトコル(ARP)の検査
 ・ インライン パワー



 ◆ errdisableの確認方法、原因特定方法

 Catalystスイッチのポートがerr-disabledであるかどうかの確認は
show interfaces status err-disabled
 
コマンドで確認できます。そして、err-disabled状態になった原因はshow logコマンドで確認できます。
 また、errdisable recovery causeを有効にしている場合は、show errdisable recoveryコマンドにより
 errdisableの原因を分かりやすく確認することができます。



 ◆ errdisableからの復旧方法

 err-disabled状態になったポートを正常な状態に復旧するためには、該当ポートで(config-if) に移行し
 
shutdownコマンドで完全にダウンさせた後、no shutdownコマンドで有効化することで復旧できます。
 ただし、この復旧方法は
根本的な解決を行った後で実行する必要があります。例えばLANケーブル不良の
 場合は正常なLANケーブルに取り換えた後に実行して、例えばEtherChannelの設定ミスがあれば正しい
 コンフィグに修正した後に実行して、ポートを正常な状態にしましょう。


 ◆ errdisable recovery causeコマンド

 
errdisable recovery causeコマンドを設定しておくことで、一定時間(300秒)の経過後に自動的に該当
 ポートが有効になります。つまり、管理者が手動で「shutdown/no shutdown」コマンドを実行した時と
 同様の結果が得られます。

 errdisable recovery causeコマンドはデフォルトで無効化されています。errdisable recovery causeの
 対象とするエラーの種類を指定することができます。例えば、BPDUガードが起因したerr-disabled状態を
 自動的に復旧させる対象としたい場合は以下のように設定します。

 (config)# errdisable recovery cause bpduguard


 errdisable recovery causeコマンドの引数には以下のコマンドがあります。「all」を指定した場合には
 全てのエラーの種類を対象とすることになります。

errdisable recovery cause 説明
 all
 全ての errdisable の原因から回復するタイマーを有効化

 arp-inspection
 ARP検査による errdisable ステートから回復するためのタイマーを有効化

 bpduguard
 BPDUガードによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 channel-misconfig
 EtherChannel 設定ミスによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 dhcp-rate-limit
 DHCPスヌーピングによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 dtp-flap
 DTPフラップによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 inline-power
 PoEの問題による errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 link-flap
 リンクフラップによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 mac-limit
 MAC制限による errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 pagp-flap
 PAgPフラップによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 port-mode-failure
 ポート モードの変更失敗による errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 pppoe-ia-rate-limit
 PPPoE IA レート制限による errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 psecure-violation
 ポートセキュリティ違反によるerrdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 psp
 PSPによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 security-violation
 IEEE 802.1x 違反による errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 sfp-config-mismatch
 SFP 設定の不一致による errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 storm-control
 ストーム制御エラーによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化

 udld
 UDLDによる errdisable ステートから回復するタイマーを有効化


 ポートのerrdisableステートの回復タイマーはデフォルトで300秒ですが、この回復タイマーの値を変更
 することができます。指定できる範囲は30秒 〜 86400秒です。例えば以下のように設定することにより
 ポートのerrdisableステートが回復するタイマーが500秒となります。

 (config)#
errdisable recovery interval 500

 show errdisable recoveryコマンドで、ポートがerr-disableになった原因を分かりやすく確認できます。



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