※ 入力キューの設定はデフォルトで最適化されており、以下のコマンドはすべて「任意の設定」です。
※ 入力キューでSRRを「共有モード」用にのみ設定することできます。
◆ 入力プライオリティキューの設定
入力キューの場合、デフォルトでキュー2がプライオリティキューとして有効になっており、帯域幅の10%が
割り当てられています。SRRではこのプライオリティキューを最優先で処理します。次にmls qos srr-queue
input bandwidth weight1 weight2 で設定した重みに従い、残りの帯域幅を両方のキューで共有し処理する。
(config)# mls qos srr-queue input priority-queue id bandwidth weight
bandwidthの値はデフォルトで 10 であり指定可能な範囲は0〜40です。入力キューのプライオリティキュー
をディセーブルにする方法はbandwidthの値を0とすることです。次のコンフィグではプライオリティキューを
queue2からqueue1に変更しています。queue1とqueue2での帯域幅使用率は4/(4+4)の1対1の使用率です。
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input priority-queue 1 bandwidth 10
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input bandwidth 4 4
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◆ 入力キュー間のバッファスペースの割り当て
2つのキュー間で入力バッファを分割する比率を定義します。このバッファの割り当てと次で紹介する入力
キュー間の帯域幅の割当により、パケットが廃棄される前にバッファに格納できるデータ量が制限されます。
(config)# mls qos srr-queue input buffer percentage1 percentage2
バッファスペースの60%を入力キュー1に、バッファスペースの40%を入力キューに割り当てる設定例です。
デフォルト値は、バッファースペースの90%が入力キュー1、バッファスペースの10%が入力キュー2です。
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input buffer 60 40 |
◆ 入力キュー間の帯域幅の割り当て
入力キュー間に割り当てられる使用可能な帯域幅の量を指定します。ここで指定する重みの比率は「SRR」
スケジューラが各キューからパケットを送信する頻度の比率です。この帯域幅割り当てとバッファ割り当て
によりパケットが廃棄される前にバッファに格納できるデータ量を制限できます。デフォルトでの帯域幅の
割り当ては2つキューでともに「4」であり、1対1の比率で送信されます。この「1対1の比率で送信」される
というのは、デフォルトでプライオリティキューであるキュー2が処理された後にプライオリティキュー2で
割り当てた帯域幅を除く残りの帯域幅での1対1の比率の送信を意味します。つまり、プライオリティキュー
はデフォルトで帯域幅10%が割り当てられており、キュー1と2の送信比率は残りの90%に対するものです。
(config)# mls qos srr-queue input bandwidth weight1 weight2
以下では、プライオリティキューをディセーブルにして、キュー1と2の送信比率を25:75に定義しています。
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input priority-queue 2 bandwidth 0
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input bandwidth 25 75
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◆ 入力キューとWTDしきい値へのDSCP or CoS値のマッピング & WTDしきい値設定
入力キューは2つ(機種に依存)です。優先するトラフィックとそうでないトラフィックを分類するためには
優先キュー( queue 2 )にマッピングされるDSCP or CoS値が、優先するトラフィックのDSCP or CoS値で
ある必要があります。ただしデフォルト設定で最適化されているので、基本的に設定変更は必要ありません。
※ DSCP値(40〜46)CoS値(5)以外の値を優先キュー(queue 2)にマッピングしたい場合に変更します。
次に、キュー(queue1またはqueue2)に対して、WTDのスレッシュホールド(1 or 2 or 3)を定義します。
デフォルトでは、queue1と2ともにWTDのスレッシュホールドは「1」が割り当てられています。スレッシュ
ホールドの1、2、3はデフォルトでキューフルステート(廃棄しきい値100%)です。3 は設定変更不可能です。
◆ DSCP値を入力キューとしきい値IDにマッピング
(config)# mls qos srr-queue input dscp-map queue queue-id threshold threshold-id dscp1..dscp8
または
◆ CoS値を入力キューとしきい値IDにマッピング
(config)# mls qos srr-queue input cos-map queue queue-id threshold threshold-id cos1..cos8
最後に、入力キュー(queue 1 or 2)に対して2つのWTDしきい値の割合(threshold1と2)を割り当てます。
(config)# mls qos srr-queue input threshold queue-id threshold-percentage1 threshold-percentage1
以下の設定例は、DSCP値34を「 入力キュー2 としきい値 1 」にマッピングするコンフィグ設定です。
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input dscp-map queue 1 threshold 1 34 |
以下の設定例は、CoS0, 1, 2, 3を入力キュー1とWTDしきい値1にマッピングして、CoS4,6を入力キュー1と
WTDしきい値2にマッピングし、CoS7を入力キュー1とWTDしきい値3にマッピングします。入力キュー1で、
WTDのしきい値1の廃棄しきい値は50%、WTDのしきい値2の廃棄しきい値を70%とにします。CoS5は入力
キュー2とWTDしきい値1にマッピングします。※ CoS5のマッピングは、デフォルト値であり以下の値です。
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input cos-map queue 1 threshold 1 0 1 2 3
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input cos-map queue 1 threshold 2 4 6
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input cos-map queue 1 threshold 3 7
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input cos-map queue 2 threshold 1 5
Catalyst(config)# mls qos srr-queue input threshold 1 50 70
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※ mls qos srr-queue input threshold コマンドの後の項目は、thresholdのIDではなく「queueのID」です。非常に紛らわしい。
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