◆ Cisco IOSソフトウェアとは
PCには、WindowsやMAC OSと呼ばれるソフトウェアが入っているように、Cisco機器には、Cisco独自の
ソフトウェアが入っています。それがCisco IOS(Internetwork Operating System)です。Cisco IOSは
現在のシスコ製品のほとんどのルータやスイッチなどに搭載されているソフトウェアです。Cisco IOSでは
WindowsのようなGUIではなくCLI(Command Line Interface)形式でコマンドというテキストの文字列を
Tera Term Proなどのターミナルソフト上で入力していくことによって、CISCO機器の動作を制御できます。
◆ Cisco IOS - アクセスする3つの方法
Cisco機器にアクセスする方法、つまりCisco機器のIOSにアクセスする方法は、大きく3種類あります。
3つのアクセス方法 |
アクセス方法の説明 |
コンソール接続 |
コンソールポートにコンソールケーブルを接続してアクセスする方法 |
AUX接続 |
AUXポートにコンソールケーブルを接続してアクセスする方法 |
VTY接続 |
PCから、LANネットワークなどを介してtelnetまたはSSH接続してアクセスする方法 |
◆ Cisco IOS - セットアップモードとは
Cisco機器の電源を入れるとIOSや設定情報(コンフィグ)等が読み込まれ、機器の起動が完了しますが、
新品のCisco機器や設定情報が全く入っていない機器では、起動後に最初に以下の画面が表示されます。
これはセットアップモードの画面です。セットアップモードではルータのホスト名、IPアドレスなどの
初期設定を対話形式で行います。この画面が表示されてyesと入力して、Enterキーを押すことでセット
アップモードが開始されますが no と入力してEnterキーを押すことでセットアップモードは終了します。
一般的にネットワークエンジニアはこのセットアップモードは使用しません。設定情報は必要な部分だけ
をCLI形式で入力するのが一般的です。ですからここではnoと入力しましょう。すると、画面上の表示に
Press RETURN to get started!というメッセージが出るので、Enterキーを押します。そうすることで
以下の画面が表示されます。この状態は以下で解説している「ユーザEXECモード」と呼ばれる状態です。
yesと入力しセットアップモードに移行しても、Ctrl + Cと入力すればセットアップモードを終了しユーザEXECモードへ移行可。
◆ Cisco IOS - EXECモードとは
上記のいずれかのアクセス方法によって、Cisco機器にアクセスする(= Cisco機器にログインする)と
Cisco IOSの対話型モードであるEXECモード(エグゼクモード)と呼ばれるモードに自動的に移行します。
このEXECモードは2種類あります。ユーザEXECモードと特権EXECモードです。違いは以下の通りです。
モード名 |
通称 |
プロンプト |
表示例 |
説明 |
ユーザ
EXECモード |
ユーザモード |
> |
Router> |
入力できるコマンドが制限されている。機器のステータスを
確認するだけならこのモードでのコマンド入力作業でOK。
|
特権
EXECモード |
特権モード |
# |
Router# |
全てのコマンドを入力することができる。機器の動作に影響
を与えるコマンドを入力する場合は、このモードに移行する。
|
Cisco機器にログインすると最初はユーザEXECモードの状態です。特権EXECモードに移行するためには、
enableコマンドを入力する必要があります。このため特権EXECモードはイネーブルモードとも呼ばれます。
一方、特権EXECモードからユーザEXECモードに戻るためにはdisableコマンドを入力する必要があります。
※ 一般的に多くのネットワークエンジニアは、特権EXECモードのことをイネーブルモードと読んでいます。
どちらのモードの場合でも、exitコマンドを入力することでCisco機器からログアウトすることになります。
◆ Cisco IOS - コンフィグレーションモードとは
Cisco機器の設定を変更するためにはコンフィグレーションモードと呼ばれるモードにする必要があります。
特権EXECモードの状態でconfigure terminalコマンドを入力することで、グローバルコンフィグレーション
モードと呼ばれるモードに移行します。本モードではCisco機器全体に関わる設定変更を行うことができます。
グローバルコンフィグレーションモードではプロンプト表示がRouter(config)#と表示されるようになります。
機器全体に関わる設定ではなく、機器のインターフェース部分の設定を行いたい場合は、インターフェース
コンフィグレーションモード、ルーティングプロトコルの設定を行いたい場合、ルータコンフィグレーション
モード、Console、AUX、VTYなどの設定をしたい場合はラインコンフィグレーションモードというモードに
移行する必要があります。このモードは、グローバルコンフィグレーションモードからさらに移行したモード。
上記以外にもコンフィグレーションモードが存在しますが、最も使用されるモードはこれら3つとなります。
これらのモードではexitコマンドを入力することでグローバルコンフィグレーションモードへ戻り、さらに
exitコマンドを入力することにより特権EXECモードへ戻りますが、end コマンドを入力することによって、
いきなり特権EXECモードに移行することも可能。「Ctrl」+「Z」キーを入力しても同様の結果となります。
コンフィグレーションモード名 |
プロンプト |
説明 |
グローバル
コンフィグレーションモード |
(config)# |
CISCO機器全体に関わる設定変更が可能なモード
|
インターフェース
コンフィグレーションモード |
(config-if)# |
機器のインターフェース部分の設定変更が可能なモード
|
ルータ
コンフィグレーションモード |
(config-router)# |
ルーティングプロトコル部分の設定変更が可能なモード
|
ライン
コンフィグレーションモード |
(config-line)# |
ライン (console, aux, vty) 部分の設定変更が可能なモード
|
|