◆ コンフィグレーションレジスタ
コンフィグレーションレジスタは、ルータの起動モードを決定することができる16ビットの値のことです。
現在起動しているルータのコンフィグレーションレジスタの値は、show versionコマンドで確認できます。
以下は、ユーザモードまたは特権モードで show version を入力して出力された最終行部分の表示結果です。
上ではshow versionの表示結果にある [Configuration register is 0x2102] の「0x2102」がコンフィグ
レーションレジスタ値となる。この16進数で表記された「0x2102」は16ビットで構成されます。これらの
1ビットずつに意味があります。コンフィグレーションレジスタの16ビットの各ビット意味は以下のとおり。
ビット番号 |
意味 |
0、1、2、3 |
ブートフィールド。どのようにルータを起動させるかを定義するビット |
6 |
NVRAMの内容を無視させる。つまり、startup-configを無視させるビット |
7 |
OEM ( Original Equipment Manufacture ) のビット |
8 |
コンソールのBreakキーによるブレーク信号を制御するビット
・ ビットを [ 1 ] にする場合 : コンソールのBreakキーを無視
・ ビットを [ 0 ] にする場合 : 強制的にROMMONで起動させる
※ ビットの有無に関係なく電源投入後60秒以内はBreakキーが有効 |
9 |
セカンダリブートストラップを使用するビット |
10 |
IPブロードキャストアドレスのホスト部分を制御するビット |
5、11、12 |
コンソールの回線速度を制御するビット |
13 |
ネットワークブートに失敗した場合の起動方法を指示するビット
・ ビットを [ 1 ] にする場合 : ROMMONで起動
・ ビットを [ 0 ] にする場合 : 再度ネットワークブートを試行 |
14 |
IPブロードキャストアドレスのネットワーク部分とサブネット部分を制御するビット |
15 |
診断メッセージを有効化させて、NVRAMの内容を無視させるビット |
ビット番号の下位4ビット(0, 1, 2, 3)がブートフィールドです。このフィールドは、ルータをどのように
起動させるかを定義するビットです。ブートフィールドは以下の3通りの組み合わせがあり意味は以下です。
ブートフィールドのビット |
意味 |
0000 |
ROMMONで起動させる。表示プロンプトは rommon 1 > となる |
0001 |
mini IOSで起動させる。表示プロンプトは Router(boot)> となる |
0010 〜 1111 |
NVRAMのstartup-configのboot systemコマンドで定義されたIOSを起動させる。
boot systemコマンドの定義がない場合、フラッシュメモリ内のIOSを起動させる。
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デフォルトのコンフィグレーションレジスタの値である 0x2102 を「ビット番号」「2進数」「16進数」に分類して見てみます。
次に、パスワードリカバリーの際に仕様する値である 0x2142 を「ビット番号」「2進数」「16進数」 に分類して見てみます。
コンフィグレーションレジスタ値を変更するためには、config-registerコマンドの後にレジスタ値を入力。
以下ではコンフィグレーションレジスタ値を 0x2142 に変更しています。値を変更することでNVRAM内の
startup-configを起動時に見ないことになります。つまり、Cisco機器でどれだけ設定変更を行って設定保存
のコマンド(copy run start) を入力したとしてもCiscoデバイスは常に初期状態で起動することになります。
config-registerの設定変更後にshow versionを見ると、以下の通りコンフィグレーションレジスタの値が
Cisco機器のリロード後に変更されることが示されています。will be 0x2142 at next reload の部分です。
主なコンフィグレーションレジスタ値 |
動作内容 |
0x2100 |
ROMMONで起動させる。(基本的に使用しない) |
0x2101 |
mini IOSで起動させる。(基本的に使用しない) |
0x2102 |
正常にIOSで起動させる。(デフォルトの値) |
0x2142 |
正常にIOSで起動させるがNVRAMを見させない(パスワードリカバリーの際に使用) |
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