◆ Catalystスイッチ - パスワードを忘れてしまうと・・・
Catalystスイッチで、特権EXECモードに移行するためのパスワード(enable password / enable secret)
を忘れてしまった場合や、分からない場合、Catalystスイッチの設定状態を確認できなくなったり設定変更
できなくなってしまいますので、パスワードを復旧させる必要があります。
◆ Catalystスイッチ - パスワードリカバリー
※ 以下のC以降で入力するコマンドは、TAB入力や再入力ができないので、入力時には入力ミスがないようにフル入力します。
※ パスワードリカバリ時にフラッシュメモリの "config.text" を操作しているがなぜか、その答えはshow bootの表示結果にある。
Catalystスイッチのパスワードリカバリーの手順 |
@ |
PCとコンソール接続 |
コンソール接続を行う。ターミナルソフト ( Tera Term ) も起動させておく。 |
A |
スイッチの電源OFF → ON |
スイッチの電源ケーブルを抜いてOFFにして、ケーブルを接続してONにする。 |
B |
MODEボタンを押し続ける |
電源ケーブルを接続し電源ONになってから、15秒以内にCatalystスイッチの前面の左側
にあるMODEボタンを押し続ける。Using driver version・・という最初のメッセージが
表示されるまで約30秒くらいは押し続ける。その後、MODEボタンを押すのを止める。
※ 機種により、システムLEDが消灯したタイミングでMODEボタンを押すのを止める。
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C |
フラッシュファイル
システムの初期化 |
フラッシュファイルシステムを初期化する。※ フラッシュメモリのIOSは削除されない。
switch: flash_init
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D |
ヘルパーファイルのロード |
ヘルパーファイル(load_helper)がある場合はロードする。※ ファイルはない場合が多い。
switch: load_helper
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E |
フラッシュメモリの
内容確認 |
フラッシュメモリにどのようなファイルがあるのか表示させる。内容確認だけとなる。
switch: dir flash:
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F |
コンフィグレーション
ファイルの名前変更 |
コンフィグレーションファイルの名前を変更する。拡張子に気をつけよう。txtでなくtext。
switch: rename flash:config.text flash:config.text.old
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G |
システムを起動 |
システムを起動させる。
switch: boot
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H |
特権EXECモードへ移行 |
bootコマンドの入力後、セットアップモードではじまるので [ Ctrl + C ] を入力しスキップ。
Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes/no]:: ←Ctrl
+ Cでスキップ。
enableコマンドを入力して特権EXECモードに移行する
switch>enable
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I |
ファイル名を元に戻す |
フラッシュメモリ内にあるコンフィグレーションファイルを元の名前に戻す。
switch# rename flash:config.text.old flash:config.text
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J |
DRAMにある
running-configへコピー |
フラッシュメモリにあるconfig.textを、DRAMにあるrunning-configにコピーする。
switch# copy flash:config.text system:running-config
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K |
パスワードの再設定 |
コンフィグレーションモードに移行してパスワードを設定する。
switch# config terminal
switch(config)# enable secret test
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L |
Interface VLANの有効化 |
上記パスワードリカバリー作業を行うとInterface VLANがshutdownされる場合がある。
show runで内容を確認して、shutdownされている場合はno shutdownを入力しよう。
switch(config-if)# no shutdown
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M |
設定保存と再起動 |
設定保存して、再起動を行う。
switch# copy running-config startup-config
switch# reload
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パスワードリカバリーBの手順ですが、以下のメッセージが出力されたら、MODEボタンを押すのを止めます。
Using driver version 1 for media type 1
Base ethernet MAC Address:
Xmodem file system is available.
The password-recovery mechanism is enabled.
そうすると、以下のメッセージが出力されます。
The system has been interrupted prior to initializing the flash filesystem.
The following commands
will initialize the flash filesystem, and finish loading the operating system software.
flash_init
boot
switch:
※ load_helperが存在すれば上記の手順で紹介したとおり、load_helperと入力しましょう。
上記手順に従ってもパスワードリカバリーが成功しない場合、またはmodeボタンを長押し(10秒)しても
初期化されない状況が発生した場合、またはパスワード不明でアクセスできなくなった場合には、奥の手が
あります。この奥の手は、とにかく初期化したい人のための手順です。先ず、上述のパスワードリカバリー
の状態の@〜Eの手順を踏みます。次に、dir flash:で確認できる「config.text」と「private-config.text」
と「vlan.dat」ファイルをdelete flash:/コマンドで削除します。そして最後にbootコマンドを入力します。
これにより初期化された状態で起動することになります。※ この奥の手は自己責任によって行って下さい。
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