◆ 従来 : Cisco IOSソフトウェアイメージ体系
第1世代のCisco ISR(1800/2800/3800) にインストールされている IOS の体系は以下の通りでした。
基本機能だけを有するIOSはIP Baseで、最も高機能なIOSは Advanced Enterprise Services でした。
Cisco ISRには以下のいずれか1つのIOSイメージがインストールします。各IOSイメージにはそれぞれ
異なる機能が組み込まれており、通信要件を確認した上でこの中から1つを選択する必要がありました。
◆ 現在:Cisco IOSソフトウェアイメージ体系
第2世代のCisco ISR G2(1900/2900/3900) にインストールされるIOS体系は以下のようになりました。
ISR G2のプラットフォームには、例外なく1つのユニバーサルIOSソフトウェアイメージがインストール
されています。このユニバーサルイメージには全てのフィーチャ(機能)が含まれていますが、どの機能
を利用できるかは購入したライセンスに依存します。ライセンスには下図に示すとおり4種類があります。
追加で機能が必要になった場合、必要なライセンスを購入してアクティブにするだけです。今までの
ようにIOSイメージを変更するためのインストール作業は必要ありません。以上のとおりIOSの種類が
すっきりとしてフィーチャの有効 or 無効はライセンスキーにより簡単に切り替えられるのがメリット。
ライセンスの種類 |
説明 |
IP Base |
デフォルトでインストールされているテクノロジーパッケージ。
基本的なIP機能を提供する。以下3つのライセンスの土台となる。 |
DATA |
高度なIP機能を有するテクノロジーパッケージ。 |
UC |
Unified Communication。IPテレフォニー機能を提供するテクノロジーパッケージ。 |
SEC |
Security。IPセキュリティ機能を提供するテクノロジーパッケージ。 |
◆ Cisco IOS - ライセンスのタイプ
Cisco IOSのライセンスタイプには、以下の4種類があります。企業ネットワークに導入するルータに適用
されたライセンス(IP Base/DATA/UC/SEC)には一般的にはPermanent Licenseを適用させます。DATA
/UC/SECなどの購入を検討していて、機能検証を行いたい場合にTemporary Licenseを適用したりします。
ライセンスのタイプ |
説明 |
Permanent License |
永続ライセンス。有効期間がなく永続的に使用できるライセンス。 |
Temporary License |
一時ライセンス。60日間だけ有効な評価ライセンス。 |
Uncounted or Counted Lisence |
非カウントまたはカウントライセンス。指定した回数だけ有効になるライセンス。 |
Subscription Licenses |
サブスクリプションライセンス。一定期間ごとに更新する必要のあるライセンス。 |
◆ Cisco IOS - ライセンスの状態
プラットフォームで現在どのライセンスが有効なのかは、show versionで確認できます。show version
の最下部に以下のような画面が表示されます。この表示結果により、Cisco 3925でIP Baseライセンスと
DATAライセンスがPermanent状態で有効化されていることが分かります。
※ k9というのは暗号化対応を意味しています。
show licenseコマンドやshow license featureコマンドにより、ライセンスの状態を詳細に確認できます。
◆ Cisco IOS - 評価ライセンスの有効化
購入したルータにはいくつかの評価ライセンスが付属しています。新しいFeature(機能)を使用したい場合
license boot moduleコマンドにより、評価ライセンスをアクティブにする必要があります。
◆ 評価ライセンスの有効化
(config)# license boot module module-name technology-package package-name
コマンド引数 |
説明 |
module-name |
モジュール名の指定。例 : c3900など
|
package-name |
テクノロジーパッケージ名の指定。例 : securityk9など |
◆ 実行例 : Cisco3925で"SEC"を評価ライセンスとして使用するコマンド (評価ライセンスの有効化)
C3925(config)# license boot module c3900 technology-package securityk9 |
上記コマンド実行後にACCEPT? [yes/no]:yes と入力して再起動すればライセンス有効化を確認できます。
この場合、show versionでライセンス項目の「Type」を確認すると「EvalRightToUse」と表示されます。
また、show licenseで確認すると [Period left] と [Period Used] で有効期限と使用期間が表示されます。
◆ Cisco IOS - Permanentライセンスの有効化(アクティベーション)
新規購入ルータにはデフォルトでIP BaseのFeatureがインストールされています。追加でFeatureを購入
した場合は以下の手順によりライセンスファイルを取得して、ルータにインストールする必要があります。
@ SEC、DATA、UCなどのFeatureを購入して、PAK(Product Authorization Key)を受け取る。
A シスコのライセンシングポータル(https://www.cisco.com/go/license)にアクセス。
B PAKに記載された11桁の英数字と、UDI(Universal Device Identifier)の情報を入力していく。
C メールなどでライセンスファイルを入手後、以下の手順によってライセンスファイルをインストール。
◇ copy tftp: flash: コマンドで、ライセンスファイル(拡張子が.lic)をFLASHメモリにアップロード。
◇ license install flash:xxxxx.lic コマンドで、ライセンスファイルをインストール。
◇ reloadコマンドでルータの再起動。このFeatureの評価ライセンスがアクティブなら再起動は不要。
CiscoルータとCatalystスイッチとでライセンスの考え方やライセンスファイルのインストール手順は同じ。
C3560XやC3750Xでの実際の手順は Catalyst3560X / 3750X - Cisco IOS Activation をご参考ください。
|