◆ EIGRP - ステータス確認方法 その2
下図の設定を前提に、この状態のEIGRP関連のshowコマンドのステータス確認方法を紹介します。
◆ EIGRP - show ip eigrp neighbors
EIGRPのネイバーテーブルのステータスは、show ip eigrp neighbors コマンドで確認できます。
項番 |
説明 |
@ |
ネイバールータごとに割り当てられるCisco IOS内部で使用する値。 |
A |
ネイバールータのIPアドレス。
|
B |
ネイバールータと接続している自身のインターフェース。 |
C |
ホールドタイマー。ネイバールータをダウンとみなすまでの時間。単位:秒。 |
D |
ネイバー確立からの経過時間。 |
E |
ネイバールータにEIGRPパケットを送信してから、ACKを受信するまでにかかる平均時間。単位:ミリ秒 |
F |
ネイバールータにEIGRPパケットを再送信するまでにACKを待つ時間。単位:ミリ秒 |
G |
送信キューに格納されているEIGRPのパケット数。0 が正常( = トラフィックが混在していない)。 |
H |
ネイバールータから受信した最後のEIGRPパケットのシーケンス番号。 |
◆ EIGRP - show ip eigrp topology
EIGRPのトポロジーテーブルのステータスは、show ip eigrp topology コマンドにより確認できます。なお
show ip eigrp topology で確認できるのはサクセサとフィージブルサクセサのルート情報のみとなりますが、
show ip eigrp topology all-links コマンドはネイバールータから受信した全てのルート情報を確認できます。
項番 |
内容 |
説明 |
@ |
P |
ルートの状態を示すコード。 P - Passive、A - Active、U - Update、Q - Query、R - Reply
P : ルート情報がEIGRPの計算中ではないことを示すコード。
A : ルート情報がEIGRPの計算中であることを示すコード。
U : Updateパケットがこの宛先へ送信されたことを示すコード。
Q : Queryパケットがこの宛先へ送信されたことを示すコード。
R : Replyパケットがこの宛先へ送信されたことを示すコード。
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A |
192.168.3.0/24 |
宛先ネットワーク / プレフィックス
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B |
1 successors |
サクセサのルート数。この例では1つのサクセサがあることを示す。 |
C |
FD is 33280 |
サクセサのルートのFD値。 |
D |
via 192.168.1.2 |
宛先ネットワークに対するネクストホップのIPアドレス。直接接続の場合 ⇒ via Connected |
E |
33280 |
FD値。このルータから宛先までの複合メトリック値。 |
F |
30720 |
AD値。ネイバールータから宛先までの複合メトリック値。 |
G |
FastEthernet1 |
ルート情報が学習されたインターフェース。 |
◆ EIGRP - show ip route
EIGRPのルーティングーテーブルのステータスは、show ip route で確認できます。
項番 |
説明 |
@ |
ルートの情報源。「D」であることからEIGRPにより宛先ルートを得たことが分かる。 |
A |
宛先ネットワーク。 |
B |
アドミニストレーティブディスタンス。EIGRPの場合はAD値は内部ルートの場合は 90。 |
C |
メトリック値。宛先ネットワークまでのFD値。 |
D |
ネクストホップアドレス。 |
E |
宛先ルートを受信してから経過時間。 |
F |
宛先ネットワークに転送するための出力インターフェース。 |
◆ EIGRP - debug ip eigrp
debug ip eigrp コマンドにより、EIGRPルータのEIGRPパケットの送信、受信の状態を確認できます。
ここでは、冒頭の構成図のR1のFastEthernet 1をリンクアップした際のR1とR2のネイバー関係の確立を
R1にコンソール接続して確認します。以下内容は、コンソール接続してTera Termに出力された結果です。
R1# debug ip eigrp
IP-EIGRP Route Events debugging is on
R1#
05:13:14: %DUAL-5-NBRCHANGE: IP-EIGRP(0) 1: Neighbor 192.168.1.2 (FastEthernet1)
is up: new adjacency
⇒ ネイバー関係の確立を示すメッセージ
05:13:14: IP-EIGRP: 192.168.0.0/24 - do advertise out FastEthernet1
⇒ このルータがFastEthernet 1 から 192.168.0.0/24 のネットワークをアドバタイズ
05:13:14: IP-EIGRP: Int 192.168.0.0/24 metric 28160 - 25600 2560
⇒ 「Int」はEIGRP内部ルート、「Ext」はEIGRP外部ルートを示す。
⇒ 192.168.0.0/24のメトリック値は28160、最小帯域幅は25600、遅延は2560。
05:13:16: IP-EIGRP: Processing incoming UPDATE packet
⇒ ネイバールータからUpdateパケットを受信したことを示すメッセージ。
05:13:16: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface FastEthernet1,
changed state to up
05:13:19: IP-EIGRP: Processing incoming UPDATE packet
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.2.0/24 M 30720 - 25600 5120 SM 28160 - 25600 2560
⇒ 「M」以降はこのルータから宛先ネットワークまでの FD (25600+5120の合計値)を示す。
⇒ 「SM」以降は AD (25600 2560の合計値) を示す。
05:13:19: IP-EIGRP: route installed for 192.168.2.0 ()
⇒ 192.168.2.0/24 の宛先ネットワークがルーティングテーブルに学習されたことを示す。
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.3.0/24 M 33280 - 25600 7680 SM 30720 -
25600 5120
05:13:19: IP-EIGRP: route installed for 192.168.3.0 ()
05:13:19: IP-EIGRP: 192.168.0.0/24 - do advertise out FastEthernet1
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.0.0/24 metric 28160 - 25600 2560
05:13:19: IP-EIGRP: Processing incoming UPDATE packet
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.1.0/24 M 4294967295 - 25600 4294967295 SM 4294967295 - 25600 4294967295
05:13:19: IP-EIGRP: Processing incoming UPDATE packet
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.0.0/24 M 4294967295 - 25600 4294967295
SM 4294967295 - 25600 4294967295
05:13:19: IP-EIGRP: Processing incoming UPDATE packet
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.2.0/24 M 30720 - 25600 5120 SM 28160 -
25600 2560
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.3.0/24 M 33280 - 25600 7680 SM 30720 -
25600 5120
05:13:19: IP-EIGRP: 192.168.0.0/24 - do advertise out FastEthernet1
05:13:19: IP-EIGRP: Int 192.168.0.0/24 metric 28160 - 25600 2560
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