◆ EtherChannelのロードバランス
EtherChannelでは、複数のポートにまたがるトラフィックのロードバランシングをサポートしています。
Catalystスイッチでは、EtherChannel のロードバランシング方式としては以下のパターンがあります。
※ 薄い文字の「ポート番号に基づいた負荷分散」はシャーシ型のCatalystスイッチのみで実装可能です。
転送方式 |
コマンド |
説明 |
送信元MACアドレス |
src-mac |
送信元MACアドレスに基づいてトラフィックを分散。 |
宛先MACアドレス |
dst-mac |
宛先MACアドレスに基づいてトラフィックを分散。 |
送信元IPアドレス |
src-ip |
送信元IPアドレスに基づいてトラフィックを分散。 |
宛先IPアドレス |
dst-ip |
宛先IPアドレスに基づいてトラフィックを分散 |
送信元と宛先MACアドレス |
src-dst-mac |
送信元と宛先MACアドレスに基づいてトラフィックを分散。 |
送信元と宛先IPアドレス |
src-dst-ip |
送信元と宛先IPアドレスに基づいてトラフィックを分散。 |
送信元ポート番号 |
src-port |
送信元ポート番号に基づいてトラフィックを分散 |
宛先ポート番号 |
dst-port |
宛先ポート番号に基づいてトラフィックを分散 |
送信元と宛先ポート番号 |
src-dst-port |
送信元ポート番号と宛先ポート番号に基づいてトラフィックを分散 |
1RUサイズのボックス型のCatalystスイッチでは「src-mac」がロードバランス方式のデフォルト値です。
一方、大型のシャーシ型のCatalystスイッチでは「src-dst-ip」がロードバランス方式のデフォルト値です。
ロードバランス方式は通信要件に従って決定しますが、基本的に上記のデフォルト値で問題はありません。
また、宛先(dst-)だけを指定したロードバランス方式にすると、効率よく負荷分散されない可能性もある
ので注意しましょう。例えば下図の構成では、宛先MACや宛先IPの方式だと使用リンクの偏りが発生します。
◆ ボックス型Catalystスイッチ - EtherChannelのデフォルト値
機能 |
デフォルト値 |
ロードバランス方式 |
着信パケットの送信元MACアドレスに基づきスイッチ上で負荷分散( src-mac ) |
ポートチャネル論理インターフェイス |
未定義 |
PAgP モード |
デフォルトなし |
PAgP 学習方式 |
すべてのポートで集約ポート ラーニング |
PAgP プライオリティ |
すべてのポートで 128 |
LACP モード |
デフォルトなし |
LACP 学習方式 |
すべてのポートで集約ポート ラーニング |
LACP ポートプライオリティ |
すべてのポートで 32768 |
LACP システムプライオリティ |
32768 |
LACP システムID |
LACP システムのプライオリティおよびスイッチまたはスタックの MAC アドレス |
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