◆ LACPスタンバイポートの設定
PAgPは最大8の物理ポートをPortChannelにバンドルできますが、LACPでは最大16の物理ポートを
PortChannelにバンドルすることができます。ただし、16ポートのうちアクティブになれるのは最大
8ポートのみであり、残りの8ポートはスタンバイポートになります。どのポートがアクティブとなり
スタンバイになるのかは、以下の4項目から構成する「LACPプライオリティ」に基づいて決定します。
@ LACPシステムプライオリティ
A システムID(スイッチのMACアドレス)
B LACPポートプライオリティ
C ポート番号
比較するプライオリティ値や情報は数値が低いほど「LACPプライオリティ」が高いと判断されます。
@とBのプライオリティ値は手動で設定変更することが可能です。
Step1:数値的に低い「@システムプライオリティとAシステムID」を持つシステムの方を選びます。
Step2:次に「BポートプライオリティとCポート番号」の値に基づいて、そのシステムのアクティブ
ポートとスタンバイポートを決定。Step1で選択されなかったシステムのBとCの値は使用されません。
◆ LACPシステムプライオリティの設定(Step1のための設定)
◆ LACPシステムプライオリティの設定
(config)# lacp system-priority priority
コマンド引数 |
説明 |
priority |
LACPシステムプライオリティの設定。priorityに指定できる範囲は 0 〜 65535
デフォルトは 32768 です。値が小さいほどシステムプライオリティは高くなる。
※ 機種・ソフトウェアバージョンにより指定範囲は「1 〜 65535」となります。
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◆ LACPポートプライオリティの設定(Step2のための設定)
◆ LACPポートプライオリティの設定
(config)# interface interface-id
(config-if)# lacp port-priority priority
コマンド引数 |
説明 |
priority |
LACPポートプライオリティの設定。priorityに指定できる範囲は 0 〜 65535
デフォルトは 32768 です。プライオリティ値が低いほど、ポートがLACP伝送に
使用される可能性が高くなる。つまり、LACPにおけるアクティブポートになる。
※ 機種・ソフトウェアバージョンにより指定範囲は「1 〜 65535」となります。
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◆ PAgPの学習方式
PAgPでは、ネットワークデバイスはPAgP物理ラーナーまたはPAgP集約ポートラーナーに分類されます。
物理ポートでMACアドレスを学習して、その情報に基づいてフレームを転送するのが物理ラーナーで、
論理ポートでMACアドレスを学習して、その情報に基づいてフレームを転送するのは集約ラーナーです。
これらはリンクの両端で同じ必要があります。なお、現行機種はデフォルトで集約ラーナーとなります。
PAgPでは、相手側の機器が物理ラーナーで、自分側の機器が集約ラーナーの場合、自動検出できません。
従って、相手側の機器がレガシーなCatalyst機種で物理ラーナーである場合は、自分側の機器においても
物理ラーナーに設定する必要があります。その場合には、負荷分散は「src-mac」とする必要があります。
物理ラーナーの設定は上記のような場合のみに使用します。物理ラーナーにするための設定は以下の通り。
◆ PAgP物理ラーナーの設定
(config)# interface interface-id
(config-if)# pagp learn-method physical-port
スイッチを PAgP 物理ポート ラーナーとして設定して、バンドル内の同じポートがパケット送信用として
選択されるようにプライオリティを調整するには以下のコマンドで設定します。Priority値が高いほどその
ポートがPAgP転送に使用されます。デフォルト値は128であり、指定可能な範囲は 0 〜 255 となります。
(config-if)# pagp port-priority priority
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