◆ 光ファイバーケーブル:SCコネクタとLCコネクタの違い
ITエンジニアが光ファイバーケーブルを調達する際、以下の3点について事前確認する必要があります。
1. 光ファイバーケーブルの長さ
サーバ・ネットワーク機器から、接続先となるパッチパネル(光ファイバーケーブル用の接続箱)との
距離を確認する必要があります。同一ラック内にマウントされている場合でも配線の仕方やケーブルの
束ね方により想定以上の長さが必要になる場合もあるので、しっかりと事前確認が必要です。
2. マルチモード または シングルモード
光ファイバーケーブルにはマルチモードとシングルモードの2種類がありますが、企業のLAN配線として
使用する光ファイバーケーブルは短距離通信向きのでマルチモードを選択します。なお、マルチモードの
光ファイバーはMMF、シングルモードの光ファイバーはSMFと言います。
光ファイバーケーブル |
MMF
(マルチモードファイバ) |
光ファイバーケーブルの材質として、プラスチックも利用できるため安価で折り曲げにも強い。
SMFに比べると長距離伝送には不向きのため、企業ネットワークなどで構内通信に使用される。
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SMF
(シングルモードファイバ) |
光ファイバーケーブルの材質として、ガラス繊維を使用する必要があるため高価で配線が難。
長距離伝送が可能であるため、都市間の接続や基幹通信網等で使用されるのが一般的である。
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3. コネクタの形状
光ファイバーケーブルのコネクタには、LCコネクタ、SCコネクタ、FCコネクタ、STコネクタの種類が
ありますが、ITエンジニアが意識すべきコネクタはLCコネクタとSCコネクタです。ではどちらの形状の
コネクタを選べば良いのか、それはサーバ・ネットワーク機器側の光モジュールの形状に従い選択します。
例えば、以下は当方が最も調達しているLC-LCコネクターのマルチモードの光ファイバーケーブルですが
コネクタ形状は両端で意識する必要があります。両方ともLCコネクタなら「LC-LCコネクタ」と言います。
以下の光ファイバーケーブルは、一方がLCコネクタ、もう一方がSCコネクタの形状となっています。
従って以下の光ファイバーケーブルはLC-SCコネクタ―のマルチモードの光ファイバーケーブルです。
ネットワーク機器間のLAN接続が100メートル以上の場合、ネットワーク機器間の接続にはUTPケーブル
ではなく、光ファイバーケーブルを使用します。メディアコンバータを使用する構成と光ファイバーの
モジュールを使用する構成の2パターンがありますが、障害ポイントを少なすくするためにも一般的には
パターン2の構成が採用されることが多いです。
実際には、ネットワーク機器間を光ファイバーを直結するのではなく、下図のようにパッチパネルを介し
機器間を接続することになります。
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