◆ HSRP - インターフェーストラッキング設定
HSRPを有効にしていないインターフェースがダウンした時に、HSRPを有効にしているインターフェースの
HSRPプライオリティ値を小さくして、アクティブルータを切り替える機能をインターフェーストラッキング
と言います。例えば、HSRPを有効にしたLAN側 I/F だけがアクティブ状態でも、同じルータのWAN側 I/Fが
アクティブでなければ通信が継続しないので、トラッキング( 追跡 )することによって通信を継続できます。
◆ HSRPのインターフェーストラッキングの設定
(config-if)# standby group-number track interface-number interface-priority
コマンド引数 |
説明 |
interface-number |
トラッキング(追跡)対象のインターフェースを指定。
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interface-priority |
トラッキング(追跡)対象のインターフェースを指定した時の減算値を指定。指定しないとデフォルトで
10が減算される。トラッキング対象のインターフェースがアップ状態になればこの指定値が加算される。
設定例:追跡対象のインターフェースに「GigabitEthernet0/0」を指定して、減算値「10」とする。
(config-if)# standby 1 track GigabitEthernet0/0
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◆ SW1 - コンフィグ設定
SW1(config) # interface vlan 5
SW1(config-if) # ip address 172.16.5.1 255.255.255.0
SW1(config-if) # standby 5 ip 172.16.5.254
SW1(config-if) # standby 5 priority 105
SW1(config-if) # standby 5 preempt
SW1(config-if) # standby 5 track GigabitEthernet0/0
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◆ SW2 - コンフィグ設定
SW2(config) # interface vlan 5
SW2(config-if) # ip address 172.16.5.2 255.255.255.0
SW2(config-if) # standby 5 ip 172.16.5.254
SW2(config-if) # standby 5 priority 100
SW2(config-if) # standby 5 preempt
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現在では、この「インターフェーストラッキング」ではなく、以下の「オブジェクトトラッキング」を使用するのが一般的です。
◆ HSRP - オブジェクトトラッキング設定
オブジェクトトラッキングでは、インターフェース状態だけでなくルーティング状態などを見てHSRPの
切替りを実現することも可能です。オブジェクトトラッキングのコマンド引数は非常に多いので、今回は
よく使用される2つのオブジェクトトラッキングを紹介します。
◆ インターフェースのラインプロトコルやIPルーティングが有効かどうかを追跡
(config)# track object-number interface interface-id line-protocol | ip routing
◆ IP SLAのIPリーチャビリティがあるかどうかを追跡、遅延やジッタなどの追跡
(config)# track object-number ip sla number [ state | reachability ]
上記コマンドで追跡対象を指定した後、オブジェクトトラッキングを以下のコマンドでHSRPへ適用。
◆ オブジェクトトラッキングのHSRPグループへの適用
(config-if)# standby group-number track object-number decrement value
以下の設定例では、GigabitEthernet0/0 のインターフェースの「 ラインプロトコルが有効かどうか 」
つまり「GigabitEthernet0/0のインターフェースが正常に使用できる状態であるか」と、192.168.1.1の
あて先にPINGを実行して応答があるかどうかを、つまり「正常時のパスが正常であるかどうか」の2つを
トラッキングしている設定例。設定例の理解のために IP SLA と IP SLA - 設定コマンド もご参考下さい。
◆ SW1 - コンフィグ設定例
SW1(config)# ip sla 1
SW1(config-ip-sla)# icmp-echo 192.168.1.1 source-interface vlan 5
SW1(config-ip-sla)# frequency 10
SW1(config)# ip sla schedule 1 life forever start-time now
SW1(config) # track 101 interface GigabitEthernet0/0 line-protocol
SW1(config) # track 102 ip sla 1 reachability
SW1(config) # interface vlan 5
SW1(config-if) # ip address 172.16.5.1 255.255.255.0
SW1(config-if) # standby 5 ip 172.16.5.254
SW1(config-if) # standby 5 priority 105
SW1(config-if) # standby 5 preempt
SW1(config-if) # standby 5 track 101
SW1(config-if) # standby 5 track 102
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◆ SW2 - コンフィグ設定例
SW2(config) # interface vlan 5
SW2(config-if) # ip address 172.16.5.2 255.255.255.0
SW2(config-if) # standby 5 ip 172.16.5.254
SW2(config-if) # standby 5 priority 100
SW2(config-if) # standby 5 preempt
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