◆ VRRP - 基本設定
以降で紹介するVRRPの設定は、VRRPグループ内のすべてのルータで設定する必要があります。先ずは、
VRRPを有効化するL3インターフェースを指定して、VRRPグループ番号と仮想IPアドレスを設定します。
L3インターフェースなので「L3スイッチのSVI」でも「ルーテッドポート」でも「ルータのI/F」でもOK。
◆ VRRPの有効化設定
(config)# interface interface-id
(config-if)# vrrp group-number ip address
コマンド引数 |
説明 |
group-number |
VRRPグループを「 1 〜 255 」の中から任意整数を指定。
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address |
仮想IPアドレスの設定。例えば、PCなどが指定するデフォルトゲートウェイのIPアドレスとなる。
設定例:インターフェースVLAN「10」、VRRPグループ番号「10」、仮想IPアドレス「192.168.10.254」
(config)# interface vlan 10
(config-if)# vrrp 10 ip 192.168.10.254
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◆ VRRPのプライオリティ設定
(config-if)# vrrp group-number priority priority
コマンド引数 |
説明 |
group-number |
VRRPグループを「 1 〜 255 」の中から任意整数を指定。
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priority |
VRRPのプライオリティ値を「1 〜 255」から指定。デフォルト値は「100」となる。VRRPグループ内で
同じプライオリティ値である場合、最も大きいIPアドレスが持つルータがアクティブルータとなる。なお
仮想IPアドレスに、物理インターフェースのIPアドレスを指定するとそのアドレスが設定されたルータの
プライオリティが自動的に「255」となり、そのルータがマスタールータとなる。
設定例:VRRPグループ番号「10」におけるプライオリティ値を「105」とする設定
(config-if)# vrrp 10 priority 105
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VRRPの場合、デフォルトでプリエンプトが有効化されています。プリエンプトの考え方はHSRPと同じです。
◆ VRRPのプリエンプト設定
(config-if)# vrrp group-number preempt
◆ SW1 - コンフィグ設定
SW1(config) # interface vlan 5
SW1(config-if) # ip address 172.16.5.1 255.255.255.0
SW1(config-if) # vrrp 5 ip 172.16.5.1
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◆ SW2 - コンフィグ設定
SW2(config) # interface vlan 5
SW2(config-if) # ip address 172.16.5.2 255.255.255.0
SW2(config-if) # vrrp 5 ip 172.16.5.1
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※ マスタールータにするルータの物理I/FのIPアドレスを仮想IPアドレスにした場合、この設定例のように非常にシンプル。
設定完了後は show vrrp brief コマンドで、全てのVRRPグループの状態が一覧で確認してみましょう。
◆ VRRP - デフォルト値
機能 |
デフォルト値 |
VRRPグループ |
未設定 |
仮想MACアドレス |
0000.5e00.01XX |
VRRPプライオリティ |
100 |
スタンバイ遅延 |
0(遅延なし) |
インターフェイス プライオリティの追跡 |
10 |
VRRPアドバタイズ Interval( Hello タイマー) |
1 |
VRRPマスタダウン Interval( Hold タイマー) |
3 |
VRRPプリエンプト |
有効化 |
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