VRRP - advertise interval / preempt delay / authentication



 ◆ VRRP - タイマー値の設定

 VRRPのデフォルトでは以下のタイマー値で動作していますが、この値を変更することができます。

 VRRPアドバタイズ Interval(Hello タイマー):
1秒
 VRRPマスタダウン Interval( Hold タイマー):
3秒

 アドバタイズ Interval の値を変更することで、マスタダウン Intervalの値が3倍に自動的に変更されるので
 設定変更できるのは「 VRRPアドバタイズ Interval 」だけとなります。

 
◆ VRRPのタイマー調整
 (config-if)#
vrrp group-number timers advertise [ msec ] seconds

コマンド引数 説明
msec

 msec を指定した場合、秒ではなく「ミリ秒」で指定できる。

seconds


 上記で msec を指定しない場合、ここで入力する数値は「秒」となる。
 設定例:グループ「5」で VRRPアドバタイズメント Interval を「3」とする

 (config-if)# vrrp 5 timers advertise 3


 バックアップルータとして動作しているVRRPルータが、現在マスタールータとして動作している
 VRRPルータから「advertisement Interval」を、以下のコマンドにより学習することができます。

 ◆ VRRPのタイマーの学習(バックアップルータでの設定)
 (config-if)# vrrp group-number timers learn

 
※ hello1秒、hold3秒という理想的な値がデフォルト値になっていることもありVRRPのタイマー調整はお勧めしません。



 ◆ VRRP - プリエンプトディレイタイマーの調整

 プリエンプト( preempt )設定をしておくことで、障害から復旧した元のアクティブルータが自動的に
 アクティブルータに戻りますが、復旧時に例えばIGPのルーティングプロトコルの収束が完了していない
 場合にはパケットロスが発生してしまうことがあります。復旧したルータ上でルーティングなどの収束が
 完全に完了した状態になってから(一定時間経過してから)VRRPのプリエンプトを有効化させるために
 
プリエンプトディレイ(preempt delay)を使用します。preempt 発動まで指定した秒数の延期が可能。

 
◆ VRRPのプリエンプトディレイタイマーの設定
 
(config-if)# vrrp group-number preempt delay [ minimum seconds ]

コマンド引数 説明
minimum
seconds


 指定できる範囲は「0 〜 36000」秒。デフォルト値は0秒。つまり、preemptは遅延なく発動する。
 ローカルルータがマスタールータの役割を引き継ぐまでの時間を、指定された秒数だけ延期する。
 設定例:元のマスタールータが復旧後、60秒経過してから preempt を発動する。

 (config-if)# vrrp 1 preempt delay minimum 60



 ◆ VRRP - オブジェクトトラッキング設定

 オブジェクトトラッキングでは、インターフェース状態だけでなくルーティング状態などを見てVRRPの
 切替りを実現することも可能です。オブジェクトトラッキングのコマンド引数は非常に多いので、今回は
 よく使用される2つのオブジェクトトラッキングを紹介します。

 ◆ インターフェースのラインプロトコルやIPルーティングが有効かどうかを追跡
 (config)# track object-number interface interface-id line-protocol | ip routing


 上記コマンドで追跡対象を指定した後、オブジェクトトラッキングを以下コマンドでVRRPへ適用します。

 
◆ オブジェクトトラッキングのVRRPグループへの適用
 (config-if)# vrrp group-number track object-number
decrement value



 ◆ VRRP - 認証設定

 ◆ VRRP認証の設定(平文認証)
 (config-if)# vrrp group-number authentication text string

 ◆ VRRP認証の設定(MD5認証)
 (config-if)#
vrrp group-number authentication md5 key-string string



 MD5認証の設定は上記コマンド以外に、キーチェーンを使用してMD5認証を設定することも可能です。

 ◆ VRRP認証の設定(キーチェーンを使用したMD5認証)
 (config)#
key chain name
 (config-keychain)# key key-id
 (config-keychain-key)# key-string string

 (config)#
interface interface-id
 (config-if)# vrrp group-number authentication md5 key-chain name



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