◆ フレームリレーの設定
フレームリレーの設定はルータのシリアルインターフェースで、カプセル化を設定する必要があります。
◆ カプセル化の設定
(config-if)# encapsulation frame-relay [ cisco | ietf ]
コマンド引数 |
説明 |
cisco |
Cisco独自のカプセル化タイプ。対向側のルータがCiscoルータの場合にこのキーワードを入力。
ただし、デフォルト設定値なので cisco と入力しても、以下のように入力しても同じ結果となる。
(config-if)# encapsulation frame-relay
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ietf |
IETF標準化のカプセル化タイプ。対向側のルータが他メーカーである場合にこのコマンドを入力。
(config-if)# encapsulation frame-relay ietf |
次に、LMIタイプの設定をします。顧客宅内に設置されたCiscoルータとキャリア網内にあるフレームリレー
スイッチとでLMIタイプを一致させる必要があります。ただしIOS11.2以降では、フレームリレースイッチ
から LMI を受信すると自動検出して LMI タイプを合致させるので、手動で以下のコマンド設定は不要です。
◆ LMI タイプの設定 ( オプション設定 )
(config-if)# frame-relay lmi-type [ cisco | ansi | q933a ]
コマンド引数 |
説明 |
cisco |
LMI タイプを cisco に指定。デフォルト値 |
ansi |
LMI タイプを ansi (Annex D) に指定。 |
q933a |
LMI タイプを q933a (Annex A) に指定。 |
ルータのシリアルインターフェースのカプセル化タイプをフレームリレーに設定した時点で Inverse ARP が
有効になります。これを明示的に無効化したい場合は以下のコマンドを入力します。ただし、次で紹介する
フレームリレーマップ (frame-relay map)を設定すると指定したDLCI のInverse ARPは無効になります。
◆ Inverse ARPの無効化設定 ( オプション設定 )
(config-if)# no frame-relay inverse-arp protocol dlci
コマンド引数 |
説明 |
protocol |
ip、ipx などのプロトコルを指定。 |
dlci |
Inverse ARPメッセージをやりとりする際に使用するローカルインターフェースのDLCI番号を指定。 |
一般的にフレームリレーマップは、Inverse ARPの動的設定ではなく、frame-relay map のコマンドによる
静的な設定で定義するのが一般的です。また、オプションのbroadcastキーワードを指定することでPVC上に
マルチキャストやブロードキャストが転送可能となり、FR上でのダイナミックルーティングが可能になります。
◆ フレームリレーマップの設定
(config-if)# frame-relay map protocol address dlci [ broadcast ]
コマンド引数 |
説明 |
protocol |
ip、ipx などのプロトコルを指定。 |
address |
対向拠点のルータのWAN側のアドレスを指定。 |
dlci |
自身のローカルDLCI番号を指定。 |
broadcast |
VC上でマルチキャストやブロードキャストを送信する場合に指定。 |
◆ フレームリレーの設定(Inverse ARP の使用)
LMIはDTEとDCE間のキープアライブだけでなく、各DLCIのステータスの通知も行います。この機能により
ルータはフレームリレースイッチからLMIにより自動的にDLCI番号を取得する事が可能になります。そして、
Inverse ARPは、LMIにより得られたDLCI番号を使用し、対向ルータへIPアドレスを要求するメッセージを
送信して、取得したIPアドレスと自身のローカルのDLCI番号をフレームリレーマップに自動的に登録します。
以上のことから、ecapsulation frame-relay と入力すれば Inverse ARP が有効になるので、以下のような
シンプルな設定でフレームリレーマップができますが、管理面で難がありこの設定は一般的ではありません。
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