◆ IP SLAを実行するルータについて
RTT遅延、片方向遅延、片方向ジッタ、片方向パケロス、VoIPコーデックエミュレーションなどの測定を
行うアクティブモニタリングとしてIP SLAを実装する場合、予算に余裕があればIP SLA SenderはIP SLA
を実行するためだけのルータを用意することが推奨。このようなIP SLA Senderはシャドウルータと呼ぶ。
※ 一方、IP SLAによるObject Trackingを行う場合、ユーザトラフィックを転送するWANルータをIP SLA Senderにします。
◆ IP SLAの設定例 - UDPジッタの測定
◆ IP SLA Senderの設定例
Cisco(config)# ip sla 1
Cisco(config-ip-sla)# udp-jitter 172.16.0.1 16384 codec g711ulaw
Cisco(config-ip-sla-jitter)# tos 160
Cisco(config)# ip sla schedule 1 life forever start-time now
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UDPジッタを測定するための宛先IP 172.16.0.1、ポート番号 16384、コーデックタイプ g711ulaw を
指定することでコーデックに応じたパケットが生成されます。コーデックごとの生成パケットは次の通り。
◆ コーデックごとに自動生成されるパケット
コーデック |
codec-interval |
codec-numpackets |
Payload |
g711alaw |
20ミリ秒 |
1000パケット |
172byte ( 160 + 12 ) |
g711ulaw |
20ミリ秒 |
1000パケット |
172byte ( 160 + 12 ) |
g729a |
20ミリ秒 |
1000パケット |
32byte ( 20 + 12 ) |
指定するToS値については以下の対応表を参考にして下さい。このToS値はIP SLAにおける値となります。
◆ IP SLAで設定するToS値とその対応表
IP SLAで設定する値 (decimal) |
IP Precedence値 |
DSCP値 |
224 |
7 |
56 |
192 |
6 |
48 |
160 |
5 |
40 |
128 |
4 |
32 |
96 |
3 |
24 |
64 |
2 |
16 |
32 |
1 |
8 |
0 |
0 |
0 |
最後に、IP SLA 1の開始時間(start-time)を now として、継続時間(life)を forever と設定します。
IP SLAオペレーション1の測定結果を監視するしきい値と、その結果発行されるイベントの設定例は次の通り。
例えば次のように設定することで下限のMOS値"3.00"(コマンドでは"300")を下回った場合にSNMP
Trap
を発行するようになります。MOS値の値は1〜500の間で指定できます。MOS値"5"は(コマンドでは"500")。
◆ SNMPトラップの設定例
Cisco(config)# snmp-server host 172.1.1.10 public
Cisco(config)# snmp-server enable traps rtr
Cisco(config)# ip sla reaction-configuration 1 react mos threshold-value 500 300
threshold-type immediate action-type trapOnly
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◆ 測定用パケットを受信する IP SLA Responder の設定
Cisco(config)# ip sla responder |
IP SLAのステータスは"show ip sla statistics"により確認できます。特に注目すべき赤枠部分の情報です。
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