◆ IPv6 - エニーキャストアドレス
エニーキャストアドレスとは、複数のノードのインターフェースに割り当てた同一のIPアドレスのことです。
複数のノードで同じIPアドレスを共有することになり、送信元ノードからエニーキャストアドレスに対して
パケットを送信した場合は、このエニーキャストアドレスを持つ最も近いノードへパケットが転送されます。
通信の結果としては上図のとおり、ユニキャスト通信と同様に1対1の通信が行われます。また、エニー
キャストアドレスにはグローバルユニキャストアドレスが使用されることから、エニーキャストアドレス
と言っても、表記上ではグローバルユニキャストアドレスとエニーキャストアドレスの区別はつきません。
サーバのインターフェースには、一意であるグローバルユニキャストアドレスを割り当てるのに加えて
グループを識別するエニーキャストアドレスを割り当てます。ノードのI/Fでは受信したデータグラムの
宛先アドレスを調べてユニキャストアドレスかエニーキャストアドレスなのかを調べてしかるべき処理を
行います。上図では、エニーキャストアドレスを使用することでDNSサーバの冗長化と負荷分散を実現。
このエニーキャストアドレスは、IPv6で標準で実装されました。IPv4ではマルチキャストアドレスが同じ
ような動作をしますが、エニーキャストアドレスとマルチキャストアドレスには、以下の違いがあります。
通信方式 |
説明 |
エニーキャスト |
エニーキャストの場合、同じアドレスが登録されたI/Fの中で1つだけが受信 |
マルチキャスト |
マルチキャストの場合、同じアドレスが登録されたI/Fの全てがパケットを受信 |
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