◆ Integrated IS-IS:ナローメトリックとは
Integrated IS-ISで使用するメトリックは「ナローメトリック」と呼ばれています。Integrated IS-ISを
有効化したインターフェースからLSPを発信していく際にこのメトリック値が加算されていきます。
メトリック値の加算の流れはOSPF同様の考えで、 Integrated IS-ISが有効化されたインターフェースに
適用されているナローメトリック値のデフォルトは「10」です。ナローメトリックのこの値を「1 〜 63」
の間で変更できます。宛先ネットワークへのパスコストは、このナローメトリック値の合計値となります。
ただし、このナローメトリック値の合計値は最大で1023となります。
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例えば上図の場合、R1から「10.1.3.0/24」の宛先ネットワークに到達するための、Integrated IS-ISの
メトリック値は「30」となります。発信時に加算されます。
◆ Integrated IS-IS:ワイドメトリックとは
ナローメトリック値を設定できる範囲が 1〜63(6bit)であり、そのパスコストの合計値が1023(10bit)
というのは大規模ネットワークでは柔軟性がなく「ワイドメトリック」がサポートされるようになりました。
インターフェースでワイドメトリック値を設定できる範囲は、1〜16777214(24bit)でありそのパスコスト
の合計値が最大で約43億(32bit)となりました。実質、無制限と言えます。
ナローメトリックとワイドメトリックは混在させることができないため、どちらを使用するか設定コマンドで
あらかじめ宣言する必要があります。デフォルトではナローメトリックが使用されます。ナローメトリックと
ワイドメトリックの比較表は以下のとおりです。
メトリックの種類 |
設定できるメトリック値 |
パスメトリックの合計値 |
ナローメトリック |
1 〜 63(6 bit) |
1023(10 bit)
|
ワイドメトリック |
1 〜 16777214 |
約43億(32 bit)
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◆ 参考:Cisco英文サイトでの表現
CCOの解説では、ナローメトリックは「style narrow metrics」と表現されています。
説明文:For style narrow metrics the range is from 1 to 63.
CCOの解説では、ワイドメトリックは「style wide metrics」と表現されています。
説明文:For style wide metrics the range is from 1 to 16777214.
Cisco IOSでワイドメトリックを実装する場合「metric-style wide」コマンドを定義します。
設定例:(config-router)# metric-style wide level-1-2
◆ metric-style wide To support better metric granularity, Cisco IOS allows
for a wider metric field.
This field could be 24 bits wide for the Extended IP Reachability TLV
or 32 bits wide for the Extended IP Reachability TLV.
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