◆ PIM-SM - Auto-RPオプション設定(RP-Announceメッセージのフィルタリング)
Auto-RPでのRP Mapping Agentは、RP Candidateが送信するRP-Announceメッセージを全て受信します。
ネットワーク上に不正なRP Candidateが存在した場合、不正なRP CandidateのRP-Announceメッセージを
受信してしまうため、間違ったRPアドレスを認識してしまう可能性があります。
そこで、RP-Announceメッセージをフィルタリング設定をすることによって、RP Mapping Agentは適切な
RP CandidateからのみRP-Announceメッセージを受信することができます。設定コマンドは以下の通りです。
(config)# ip pim rp-announce-filter rp-list ACL1 [ group-list ACL2 ]
コマンド引数 |
説明 |
ACL1 |
RP CandidateのIPアドレスを指定するACL |
ACL2 |
ACL1で指定したRPの対象となるマルチキャストグループアドレスを指定するACL |
◆ RP Mapping Agentの設定例 1 - 2.2.2.2 のRP Candidateから送信されるRP Announceのうち239.1.1.5のみを受信
Cisco(config)# access-list 1 permit 2.2.2.2
Cisco(config)# access-list 2 permit 239.1.1.5
Cisco(config)# ip pim rp-announce-filter rp-list 1 group-list 2
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◆ RP Mapping Agentの設定例 2 - 2.2.2.2 のRP Candidateから送信されるRP Announceのプライベートスコープ以外を受信
Cisco(config)# access-list 1 permit 2.2.2.2
Cisco(config)# access-list 2 deny 239.0.0.0 0.255.255.255
Cisco(config)# access-list 2 permit 224.0.0.0 15.255.255.255
Cisco(config)# ip pim rp-announce-filter rp-list 1 group-list 2
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◆ PIM-SM - Auto-RPオプション設定(マルチキャスト境界の定義)
Auto-RPでは、RP-AnnounceメッセージとRP-Discoveryメッセージの到達範囲を制御することができます。
Auto-RPで使用する「224.0.1.39」と「224.0.1.40」宛てのパケットを拒否するACLを定義して、Auto-RP
によるマルチキャスト境界としたいインターフェースに対して、以下のコマンドを設定します。
(config)# interface interface-id
(config-if)# ip multicast boundary ACL
Cisco(config)# access-list 1 deny 224.0.1.39
Cisco(config)# access-list 1 deny 224.0.1.40
Cisco(config)# access-list 1 permit 224.0.0.0 15.255.255.255
Cisco(config)# interface GigabitEthernet0/0
Cisco(config-if)# ip multicast boundary 1
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◆ PIM-SM - Auto-RPコンフィグ設定上の注意点
@ ip pim sparse-mode または ip pim sparse-dense-mode の設定するインターフェース
マルチキャストパケットを転送する全てのインターフェースが設定対象であり、Senderが接続しているI/F
Receiverが接続しているI/F、SenderからReceiverへのパケットの通り道となる全てのI/Fが設定対象です。
A IGMPの有効化について
Ciscoルータではインターフェース上でPIMを有効化すると、そのインターフェースでは自動的にIGMPv2が
有効化されます。従って、IGMPのみを有効化、無効化するような設定はありません。
B ユニキャストルーティングの設定
マルチキャストパケットを転送させるためには、マルチキャストルーティングだけでなく、ユニキャストの
ルーティングも完全である必要があります。マルチキャストパケットを転送する上でOILのインターフェース
からパケットをフラッディングするためには、RPFチェックが成功している必要があります。RPFチェックは
ユニキャストのルーティングを見て、Senderから最短ルートで転送されたパケットであるか確認しています。
C RPアドレスの設定
RPアドレスの設定は、RPとなるルータ含めて全てのマルチキャストルータで設定する必要があります。なお、
RPを設定するインターフェースは耐障害性の観点から一般的にループバックインターフェースを使用します。
当然ながら、各マルチキャストルータはRPアドレスにIP到達性がある必要があります。
D ip pim send-rp-announce と ip pim send-rp-discovery で指定するI/FのPIMの有効化
これらのコマンド内で指定したインターフェースは、PIMが有効になっている必要があります。つまり例えば
loopbackインターフェースを指定した場合には、loopbackインターフェースでもPIMを有効化させます。
Cisco(config)# ip pim send-rp-announce loopback0 scope 16
Cisco(config)# interface loopback0
Cisco(config-if)# ip pim sparse-dense-mode
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◆ PIM-SM - ステータス確認コマンド
Ciscoコマンド |
説明 |
show ip pim interface |
PIMを有効化したインターフェース、PIMのバージョンと動作モード、PIM DR情報 |
show ip pim neighbor |
PIMネイバーのIPアドレス、インターフェース、PIMネイバー確立後の経過時間、PIM DR情報 |
show ip mroute |
マルチキャストルーティングテーブル( ディストリビューションツリー )の情報 |
show ip mroute summary |
マルチキャストルーティングテーブル( ディストリビューションツリー )のサマリー情報 |
show ip rpf x.x.x.x |
x.x.x.x で指定したIPアドレスに対するRPFインターフェースとRPFネイバーの情報 |
show ip pim rp mapping |
マルチキャストグループに対するRPアドレスの情報 |
debug ip mpacket |
マルチキャストルータが送受信するマルチキャストパケットをリアルタイムに確認 |
debug ip pim |
PIMメッセージの送受信をリアルに確認 |
debug ip mrouting |
マルチキャストルーティングテーブルの変更をリアルタイムに確認 |
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