◆ マルチキャストアドレス
特定のグループを指定するアドレス、つまりマルチキャストアドレスについて詳細に解説していきます。
マルチキャストアドレスではクラスDアドレス(224.0.0.0 〜 239.255.255.255)を使用します。この
マルチキャストアドレスは宛先アドレスとしてのみ使用され、送信元アドレスはユニキャストアドレスを
使用します。なお、マルチキャストトラフィックはUDPを使用するので、マルチキャストトラフィックの
信頼性を確保したい場合、それはアプリケーションやQoSで管理する必要があります。
◆ マルチキャストIPアドレスの構造
マルチキャストのIPアドレスは、32ビットのうち第1オクテットのトップビット「1110」を使用しますが、
残りの28ビットはクラスA 〜 C のように階層構造となっておらず、残りはマルチキャストのグループIDを
識別するのに使用されます。マルチキャストのグループIDとは「受信するホストのグループ」のことです。
◆ マルチキャストIPアドレスの管理
マルチキャストアドレスは、マルチキャストパケットを送信するスコープ(範囲)により3つに分類されます。
種類 |
アドレス範囲 |
説明 |
リンクローカル |
224.0.0.0 〜 224.0.0.255 |
同一セグメント上で使用するアドレス。この範囲のアドレスは
通常、TTL値「1」で送信されるため、ルータで転送されない。
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グローバルスコープ |
224.0.1.0 〜 238.255.255.255 |
企業が、組織間やインターネットで使用するためのアドレス。
アプリケーションは、アドレスの一部をICANNで予約して使用。
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プライベートスコープ |
239.0.0.0 〜 239.255.255.255 |
企業が、組織内で使用するためのアドレス。
「239.0.0.0/24」と「239.128.0.0/24」は使用しない事が推奨。
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◆ マルチキャストIPアドレスの管理 - 予約済みリンクローカルアドレス
マルチキャストのアドレスの割り当ては ICANN により管理されています。マルチキャストアドレスは、動的
または静的に割り当てることが可能です。動的なマルチキャストの割り当ては、マルチメディアのアプリケー
ションがオンデマンドで割り当てます。静的に割り当てられた「Well-Knownアドレス」には以下があります。
マルチキャストアドレス |
対象 |
224.0.0.1 |
サブネット上の全てのマルチキャスト対応のホスト |
224.0.0.2 |
サブネット上の全てのマルチキャスト対応のルータ |
224.0.0.5 |
全てのOSPFルータ |
224.0.0.6 |
全てのOSPF DR/BDRルータ |
224.0.0.9 |
全てのRIPv2ルータ |
224.0.0.10 |
全てのEIGRPルータ |
224.0.0.13 |
全てのPIMルータ |
224.0.0.18 |
全てのVRRPルータ |
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