◆ BSR - BSRの冗長化
Auto-RPの場合、RP Mapping Agentが複数存在する場合はその全てが動作しているのに対して、BSRでは
BSR(Auto-RPでいうMapping Agent)が複数いる場合、選出基準に従って1台のルータのみがBSRとして
動作します。選出基準は以下の通りであり、より大きな値を持つルータがBSRとなります。
選出基準 1. BSRプライオリティ
選出基準 2. IPアドレス
BSRになる前のルータは「BSR Candidate」と言います。BSR Candidateには以下の2つのステータスが
あります。Elected-BSRになったルータがBSRとして動作するようになります。
・ C-BSRステータス
・ Elected-BSRステータス
BSR Candidateとして設定されたルータは、最初はC-BSRステータスとなります。1台しかBSR Candidate
しかいない場合はブートストラップタイマー(150秒)の経過後にElected-BSRとなります。現在のBSRから
BSRメッセージを受信した場合は、BSRプライオリティまたはIPアドレス情報を確認して、自分よりも大きな
値である場合はC-BSRステータスのままとなり、自分の方が大きければElected-BSRステータスとなります。
現在のBSRに障害が発生してBSRメッセージを送信できなくなり、C-BSRステータスであるBSR Candidateが
BSRメッセージを受信できなくなるとブートストラップタイマー(150秒)経過後にElected-BSRになります。
◆ BSR - RP Candidateの冗長化
すでに解説した通り、RP Candidateを複数のルータで設定することで、RPを冗長化することができます。
これはAuto-RPと同じです。下図の通り、それぞれのRP Candidateが通知したマルチキャストグループに
対するRPアドレスの情報をBSRは複数持つことになり、その情報をそのまま全てのPIMルータに通知します。
それでは、BSRにおいてRP Candidateに障害が発生した場合の動作を見てみましょう。
RP Candidateは60秒ごとにC-RP通知を送信しますが、BSRは150秒以内にC-RP通知を受信できない場合は
該当するRPアドレスの情報を削除します。Auto-RP の場合は180秒以内でしたが、 BSRの場合は150秒以内
となります。この削除された情報はBSRからBSRメッセージによって各PIMルータに伝搬されていきます。
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