◆ MLDv2メッセージの詳細
MLDv2では、次の2種類のメッセージを使用します。
・ Multicast Listener Query
・ Version 2 Multicast Listener Report
そして、Version 2 Multicast Listener Reportには、次の2種類があります。
・ Current State Report:Multicast Listener Query の応答として使用
・ State Change Report:マルチキャストグループへの参加、離脱の通知のために使用
Version 2 Multicast Listener Reportメッセージに含まれるMulticast Address Recordでは以下の値を指定
することで、色々な動作を実現します。
Multicast Address Recordタイプ |
説明 |
Current State Report |
MODE_IS_INCLUDE |
フィルタモードがINCLUDEモードであることを示す |
MODE_IS_EXCLUDE |
フィルタモードがEXCLUDEモードであることを示す |
State Change Report |
CHANGE_TO_ INCLUDE_MODE |
フィルタモードをINCLUDEに変更することを示す |
CHANGE_TO_ EXCLUDE_MODE |
フィルタモードをEXCLUDEに変更することを示す |
ALLOW_NEW_ SOURCES |
マルチキャストの受信を希望する送信元を追加することを示す |
BLOCK_OLD_ SOURCES |
マルチキャストの受信を希望する送信元を削除することを示す |
◆ MLDv2 - マルチキャストグループへの参加
ReceiverからマルチキャストルータへVersion 2 Multicast Listener Report(State Change Report)の
メッセージを送信します。このメッセージの宛先アドレスは「FF02::16」となります。MLDv2ではIGMPv3
と同様に、受信したいマルチキャストグループの通知だけでなく、Senderの送信元アドレスを指定できます。
・ 送信元を指定する場合のState Change ReportのMulticast Address Recordは「ALLOW_NEW_SOURCES」となります。
・ 送信元を指定しない場合のState Change ReportのMulticast Address Recordは「CHANGE_TO_EXCLUDE」となります。
◆ MLDv2 - マルチキャストグループの維持
MLDv1では、ルータは定期的にMulticast Listener Queryを送信して、そのセグメント上でReceiverが
存在するかを確認します。Multicast Listener Queryは全てのIPv6マルチキャストホストを示すFF02::1
宛てに対し送信されます。Multicast Listener Queryを受信したReceiverは、そのセグメントに存在する
ことを意味する応答として、Version 2 Multicast Listener Reportを送信します。
・ 送信元を指定する場合のCurrent State ReportのMulticast Address Recordは「MODE_IS_INCLUDE」となります。
・ 送信元を指定しない場合のCurrent Change ReportのMulticast Address Recordは「MODE_IS_EXCLUDE」となります。
◆ MLDv2 - マルチキャストグループからの離脱
MLDv1は、マルチキャストグループから離脱時にルータにMulticast Listener Doneメッセージを送信します。
MLDv2は、マルチキャストグループから離脱時にルータにVersion 2 Multicast Listener Reportメッセージを
送信します。正確にはVersion 2 Multicast Listener ReportメッセージのState Change Reportで通知します。
離脱したいReceiverは、MLDv2に対応するIPv6マルチキャストルータへVersion 2 Multicast Listener Report
メッセージを送信します。この時の宛先アドレスはFF02::16となります。離脱を示すState Change Reportを
受信したルータは、Multicast Listener Queryを送信して、そのセグメント上にその他のReceiverが存在しない
かどうかを確認します。応答がない場合、ルータは該当するマルチキャストグループのエントリを削除します。
・ 送信元を指定する場合のState Change ReportのMulticast Address Recordは「BLOCK_OLD_SOURCES」となります。
・ 送信元を指定しない場合のState Change ReportのMulticast Address Recordは「CHANGE_TO_INCLUDE_MODE」です。
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