◆ スタティックNAT - NATテーブルの確認
◆ スタティックNATの設定例
Cisco(config) # ip nat inside source static 192.168.0.1 100.1.1.1
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/1
Cisco(config-if) # ip nat inside
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/0
Cisco(config-if) # ip nat outside
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上記のコンフィグ設定をした場合、NATテーブルを表示させると以下の結果となります。NATテーブルを
確認するコマンドは show ip nat translations です。スタティックNATでは、NAT変換させた通信をして
いなくても、コンフィグ設定した時点で以下の通り自動的にNATテーブルにNAT変換情報が表示されます。
◆ ダイナミックNAT - NATテーブルの確認
◆ ダイナミックNATの設定例
Cisco(config) # ip nat pool TEST 100.1.1.1 100.1.1.6 netmask 255.255.255.248
Cisco(config) # access-list 1 permit 192.168.0.0 0.0.0.255
Cisco(config) # ip nat inside source list 1 pool TEST
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/1
Cisco(config-if) # ip nat inside
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/0
Cisco(config-if) # ip nat outside
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上記の設定をした場合、NATテーブルを表示させると以下の結果となります。show ip nat translationsで
確認しても、NAT変換を行う通信をさせていない状態ではダイナミックNATの場合は何も表示されません。
そこで192.168.0.1のクライアントPCから200.1.1.2のWebサーバへHTTP接続の通信を発生させてみます。
すると、以下のようにNATテーブルが表示されます。※機種やIOSバージョンによりNATテーブルは以下の
ように表示されず「内部グローバル」と「内部ローカル」のアドレスだけが(3行目だけが)表示されます。
項番 |
項目 |
説明 |
@ |
Pro |
プロトコル |
A |
Inside global |
内部グローバルアドレス + 送信元ポート番号 |
B |
Inside local |
内部ローカルアドレス + 送信元ポート番号 |
C |
Outside local |
外部ローカルアドレス + 宛先ポート番号 |
D |
Outside global |
外部グローバルアドレス + 宛先ポート番号 |
◆ PAT - NATテーブルの確認
◆ PATの設定例
Cisco(config) # access-list 1 permit 192.168.0.0 0.0.0.255
Cisco(config) # ip nat inside source list 1 interface GigabitEthernet0/0 overload
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/1
Cisco(config-if) # ip address 192.168.0.254 255.255.255.0
Cisco(config-if) # ip nat inside
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/0
Cisco(config-if) # ip address 100.1.1.1 255.255.255.0
Cisco(config-if) # ip nat outside
|
上記の設定をした場合、NATテーブルを表示させると以下の結果となります。show ip nat translationsで
確認しても、NAT変換を行う通信をさせていない状態ではダイナミックNATと同様に何も表示されません。
そこで192.168.0.1のクライアントPCから200.1.1.2のWebサーバへHTTP接続の通信を発生させてみます。
すると以下のようにNATテーブルが表示されます。NATテーブルの見方はダイナミックNATの時と同じです。
項番 |
項目 |
説明 |
@ |
Pro |
プロトコル |
A |
Inside global |
内部グローバルアドレス + 送信元ポート番号 |
B |
Inside local |
内部ローカルアドレス + 送信元ポート番号 |
C |
Outside local |
外部ローカルアドレス + 宛先ポート番号 |
D |
Outside global |
外部グローバルアドレス + 宛先ポート番号 |
◆ NATアドレス変換の統計情報
NAT変換、またはPAT変換によるアドレス変換の統計情報は、show ip nat statisticsで確認できます。
項番 |
項目 |
説明 |
@ |
Total active translations: 3
(1 static, 2 dynamic; 2 extended) |
現在アクティブなNAT変換エントリの数。ここでは、スタティックNATの
変換エントリが1つ、ダイナミックNATまたはPATの変換エントリが2つを示す。 |
A |
Outside interfaces:
FastEthernet0 |
外部ネットワークのインターフェースを示す。 |
B |
Inside interfaces:
FastEthernet1 |
内部ネットワークのインターフェースを示す。 |
C |
Hits: 559 Misses: 130 |
NATテーブルを参照し変換エントリの検索に成功(Hits)、失敗(Misses)した回数 |
D |
Expired translations: 45 |
NAT変換エントリがタイムアウトによりクリアされた回数 |
◆ NAT - デバッグの見方
NATを設定したルータで debug ip nat を入力すると、リアルタイムに変換情報を確認できます。
1. 行きのパケット(送出されたパケット)
送信元IPアドレスが「192.168.0.1」から「100.1.1.1」へ変換されて、宛先IPアドレス「200.1.1.2」へ
通信しようとしています。“ s= ” は送信元IPアドレス、“ d= ” は宛先IPアドレス、“ -> ”は変換を示す。
2. 帰りのパケット(着信してきたパケット)
100.1.1.1 からのパケットを受信した 200.1.1.2 のサーバが、自身の送信元アドレス「200.1.1.2」から
宛先アドレス「100.1.1.1」へパケットを送信しています。宛先アドレス「100.1.1.1」としてパケットを
受信したNATルータは宛先アドレス「100.1.1.1」を「192.168.0.1」へ変換して(戻して)いる事を示す。
※ 各エントリの最後の「 17399 」は、IOSにより自動的に割り当てられるパケットの関連性を示す番号。
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